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瞳孔を開かない眼底検査(散瞳薬を使わない)

2021.9月〜 超広角眼底撮影の「ミランテ」を導入しました。

瞳孔を開かない(散瞳薬を使わない)眼底検査で、眼球の内部「網膜・硝子体」の状態がわかります。
RGB3色(赤・緑・青)の組み合わせのとても綺麗な画像で、眼底の精密検査となります。

(更に詳細な検査を必要とする場合、散瞳薬を使う眼底検査をおこなうこともあります)


無散瞳眼底検査のメリットとデメリット

メリット

  • 瞳孔を開かないため、目薬を使わずに検査が可能です。
  • 検査後すぐに日常生活に戻ることができ、車の運転も問題ありません。
  • 妊娠中の方でも安心して受けることができます。

デメリット

  • 一部の細かい異常は見逃される可能性があります。

散瞳眼底検査のメリットとデメリット

メリット

  • 詳細な検査が可能: 瞳孔を開く目薬(ミドリンPやネオシネジン点眼液)を使用することで、眼底の細部まで詳細に確認することができます。
  • 異常の早期発見: 散瞳により、微細な病変や異常を早期に発見できるため、適切な治療が可能となります。

デメリット

  • 検査前の待ち時間: 目薬をさして20分〜30分待つ必要があります。
  • まぶしさと視界のぼやけ: 診察で光を当てるため、検査中にまぶしさを感じます。また、「見えづらい」「まぶしい」「ぼやける」などの症状が4-5時間続きます。
  • 瞳孔が戻らない: 散瞳薬で開いた瞳孔の大きさが戻るまで時間がかかるため、一時的な視界のぼやけが発生します。
  • 妊娠中のリスク: 妊娠中に散瞳薬を使用することにはリスクが伴います。
  • 運転の制限: 検査後は視界がぼやけるため、運転を控える必要があります。
  • サングラスは?: 検査後のまぶしさを軽減するためにサングラスが必要となることもあります。
  • 車での来院が困難: 散瞳後は視界がぼやけるため、車を運転しての来院が困難となります。

超広角眼底撮影では、車で来院されても十分な眼底検査を行うことができるようになっています。
妊娠中(可能性のある)の方にも、安全な眼底検査です。

網膜画像診断の進歩:超広角眼底撮影

共焦点走査型ダイオードレーザ検眼鏡 Nidek Mirante(ニデック ミランテ)

【商店街でおこなう “瞳孔を開かない眼底検査

○ “超広角眼底撮影”:無散瞳眼底カメラの12倍の情報量

○ 散瞳を必要としない(散瞳薬を使わない):“まぶしくない眼底カメラ”

○ 眼底カメラ・OCT* 他の一体型:患者さんの負担軽減/省スペース/非接触

○ 緑内障の早期発見/進行判定:OCT/SLO** の併用

○ 造影剤を使用しない(=造影剤のリスクの無い)超広角画像診断

○ 人工知能を用いた一瞬のノイズ除去:高精細のOCT画像

* OCT (Optical Coherence Tomography) : “目のCT” 光干渉断層撮影/眼底三次元画像解析
** SLO (Scanning Laser Ophthalmoscope): 共焦点走査型検眼鏡

糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・こどもの網膜硝子体疾患・ぶどう膜炎など、眼底疾患の全般で使用します1
飛蚊症の精密検査 等。

眼底とは
眼底とは

超広角眼底撮影:眼内画角163°〜眼底最周辺部パノラマ写真

得られる情報量の飛躍的な増加:超広角(Ultra widefield)の定義2に合致

眼底最周辺部の撮影:眼底パノラマ写真

高精細(High Definition, HD):“眼底の4K画像”

「“超広角眼底撮影”:無散瞳眼底カメラの12倍の情報量」

散瞳を必要としない:共焦点走査型ダイオードレーザ検眼鏡(SLO)

無散瞳眼底カメラ
Nidek Mirante

Red/Green/Blue: それぞれの波長を持つ線状の光源
→小さな瞳孔から入り、網膜の層からの反射を機械で受け取る
→組み合わされたRGB画像を合成して提示

水晶体の濁り(白内障)の影響を受けない。

「まぶしくない眼底カメラ」

* 硝子体混濁は描出されるため、ぶどう膜炎の評価に有用です。


移動を必要としない:一体型画像解析装置

✅ OCT(眼底三次元画像解析):撮影範囲拡大
✅ OCTA(OCT血管撮影):撮影範囲拡大 
✅ 前眼部OCT:緑内障・角膜疾患等に使用

機能追加の、
✅ 超広角眼底撮影(眼内画角163°〜眼底最周辺部パノラマ写真)
✅ 眼底自発蛍光

* 以上全ての画像を得るために、移動の必要がありません。
座ったままで、眼底の画像撮影がおわります。

今までの無散瞳カメラも、同じ椅子で撮影できる位置に残してあります。
いずれも眼球(角膜)と機械の間の距離は、9〜15mm程度です。

「患者さんの負担軽減」「省スペース」「非接触型」

「網膜神経線維層欠損」の判別:共焦点走査型レーザー画像(SLO)の併用

自覚症状のない疾患にも、画像診断は有用です。

緑内障の早期発見・進行判定に関して:
OCT画像で、網膜神経線維の情報を詳しく知ることができます。

SLOも、緑内障の早期発見・病勢の進行判定につながります。
瞬時に得られるBlue/Greenの波長の光から、多くの情報を得ることができます3,4

○ 眼底三次元画像解析(OCT)
○ 共焦点走査型レーザー画像(SLO)

「緑内障の早期発見/進行判定:OCT/SLOの併用」

「網膜虚血部位」の判別:共焦点走査型レーザー画像(SLO)の使用5

→Red free (Blue) の部分に一致する「網膜虚血部位」
糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症 などの病勢判定に必須の評価

» 眼底にレーザー治療/目の中に注射をする理由

蛍光眼底造影検査(FAG)で把握してきた「血の巡りの悪い部分(網膜虚血部位)」

造影剤アレルギー/ショックのリスクを無くした上で、
網膜虚血部位を判別する「代替手段」となる可能性

「造影剤を使用しない(=造影剤のリスクの無い)超広角画像診断」

高精細画像:AI(人工知能)を用いたノイズ除去の技術

「人工知能を用いた一瞬のノイズ除去:綺麗なOCT画像」

眼科画像診断:新しい時代

以上から、網膜疾患全般の画像解析において

短時間で、
患者さんの負担が軽くなった上、
眼底から得られる情報量の飛躍的な増加を享受できる時代になりました。

医療者は最新の知識をアップデートするように努めています。

(参考文献)
1. Patel, S.N., Shi, A., Wibbelsman, T.D., Klufas, M.A., 2020. Ultra-widefield retinal imaging: an update on recent advances. Ophthalmol Eye Dis 12, 2515841419899495. https://doi.org/10.1177/2515841419899495
2. Choudhry, N., Duker, J.S., Freund, K.B., Kiss, S., Querques, G., Rosen, R., Sarraf, D., Souied, E.H., Stanga, P.E., Staurenghi, G., Sadda, S.R., 2019. Classification and Guidelines for Widefield Imaging: Recommendations from the International Widefield Imaging Study Group. Oph Retina 3, 843–849. https://doi.org/10.1016/j.oret.2019.05.007
3. Tassel, S.H.V., Asrani, S.G., 2019. Possible Undiagnosed Glaucoma Detected by MultiColor Imaging of Retinal Diseases. Ophthalmology Glaucoma 2, 22–27. https://doi.org/10.1016/j.ogla.2018.11.003
4. Kim, Y.H., Ahn, J., Kim, K.E., 2021. Multicolor imaging for detection of retinal nerve fiber layer defect in myopic eyes with glaucoma. American Journal of Ophthalmology. https://doi.org/10.1016/j.ajo.2021.07.022
5. Shin, Y.U., Lee, B.R., Kim, S., Lee, W.J., 2012. A Novel Noninvasive Detection Method for Retinal Nonperfusion Using Confocal Red-free Imaging. Ophthalmology 119, 1447–1454. https://doi.org/10.1016/j.ophtha.2012.01.036

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