オルソケラトロジー

「手術を必要としない近視矯正」治療プログラムのご案内です。
 * 2009年に厚生労働省によりその効果と安全性における有用性が評価され、承認を受けています。
 
酸素透過性の高い特殊なコンタクトレンズを、就寝中に装着します。 
 
治療用レンズ:国内で認可されているもののうち、最も酸素透過性が高く 割れにくいものを使用します。
 
角膜最表層の「角膜上皮」のみ、一時的な厚みを変化させる方法。
 * 装用中止後、角膜上皮は数日以内に元の状態に戻ります。
 
説明と理解/安全性を最重要として、治療をおこないます。

* 2009年に厚生労働省によりその効果と安全性における有用性が評価され、承認を受けています。

» 近視進行抑制:低用量アトロピン点眼/オルソケラトロジーの併用効果

» “レーシック(LASIK)やICLで近視がなおる” の意味

オルソケラトロジーのしくみ

就寝中に装着するコンタクトレンズによって角膜上皮の厚みを変え、日中は裸眼で網膜にピントが合うようにします。

一連の治療プログラムを提供します。
 
販売ではありません。
2009年に厚生労働省によりその効果と安全性における有用性が評価され、承認を受けています。
オルソケラトロジーガイドライン第2版(日本眼科学会雑誌121巻12号)に厳密にのっとって、治療を行います。

Ortho=矯正、Kerato=角膜、Logy=方法

近視:網膜より前にピントが合っている状態。
 
正視の状態では光が角膜と水晶体の屈折力により、網膜上で焦点を結びます。
近視の状態である場合、網膜より手前で焦点を結ぶために像がぼやけて見えます。

角膜の形状を一時的に変化させる。
 
特殊な内面カーブが角膜前面の形状を変化/扁平化することにより、焦点が網膜上で結ばれはっきり見えます。
* イラストとは異なり、正確には角膜の上皮のみの厚みを変化させます。

日中は網膜にピントが合う状態になる。
 
上皮のみ形態が変化した角膜は、レンズをはずしても一定時間形状が維持されます。
そのため、日中は裸眼視力が改善されます。

レンズのかたち:角膜中心部にわずかな圧力をかける。
角膜上皮に影響します(後述)。

5層構造の角膜:
角膜上皮中央部分の厚みを変化させます。
装用中止後は、角膜上皮中央部分の厚みは戻ります(上皮の再分配)。

オルソケラトロジーの利点

レーシック・ICLなどと異なり、手術が不要

中止することで、角膜はもとの状態に戻ります(2週間~1か月程度)。

日中は裸眼で生活できる

・職業柄メガネが不便な方
・コンタクトレンズで違和感を感じている方
・花粉症やアレルギー、ドライアイでコンタクトレンズができない方
・スポーツをされている方
以上のような方に適しています。

厚生労働省の承認を得た「治療プログラム」のため、医療費控除が受けられる

「オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除」
* 年末調整/確定申告時に領収書を提出してください。

オルソケラトロジーのデメリット

合併症が起こる危険性がある

使用法を誤ると、角膜感染症等の重篤な合併症につながることがあります。
必ず定期検査に来院頂ける方以外は、不適合となります。
* 指定のケア用品(オフテクス社)はポピドンヨードを含有し、緑膿菌・アカントアメーバ感染に対しても唯一除菌効果のある製品です。オルソケラトロジー専用のレンズケースも、毎回交換していただいています。

効果に個人差がある

治療効果が出るまで概ね1週間ですが、個人差があります。
夜間に光がにじむ症状(ハロー、グレア)が出ることがあります。

強度近視や乱視が強い方には適応にならないことがある

近視度数-4.0, 乱視度数-1.50までが適応:
(* 正確な度数は、矯正視力検査で判定します)

日本人の眼に合った国産の矯正レンズを採用

日本人の角膜の特徴:突出が少ない。
 
「ブレスオーコレクト」は、日本人に多い角膜中心部に突出の少ない
フラットな球形角膜にも安全に処方するため、リバースカーブの長さとカーブをコントロールし、サジタルデプスを浅く設計しています。
 
これにより角膜への吸着を防ぎ、レンズの動きによって涙液の交換が良好におこなえるようデザインされています。
(東レ社より)
 
文献
日本人と米国人の角膜形状の比較 TMS-1を用いて
糸井素純 ; 西巻賢一 ; 小淵輝明 ; 金井淳 ; James V Aquavella
日本コンタクトレンズ学会誌 38(1), p9-13, 1996

レンズの素材:
酸素透過性が高く、破損の心配がほとんどない。
 
(東レ社より)
東レ独自の高分子テクノロジーから生まれた、しなやか素材を使用。
強度保持成分がガッチリと強く結びつき、外からの衝撃に対してもしなやかに曲がり、割れることを防いでいます。
” 酸素透過性が高くなるほど割れやすい”という一般的な認識をくつがえしたレンズを実現しました。
構成モノマー:フッ素含有メタクリレート系化合物・ケイ素含有メタクリレート系化合物
着色剤:フタロシアニン系着色剤
レンズカラー:ブルー

酸素透過性は角膜内皮に最も影響を及ぼします。
 
現在国内で認可を受けているレンズで、酸素透過係数は最も高い数値です。
定期検査では、角膜内皮細胞の影響の有無を常にチェックします。

東レ社製 ブレスオーコレクト

治療スケジュール

必ずご来院頂けるかたのみ、治療の対象となります。

近視に対する診察
(通院中のかたを含む)
  • 通常の診療中にご希望があればオルソケラトロジーの一般的なご説明をおこない、角膜形状解析を含む一部の検査をおこないます。
     
    ※コンタクトレンズを使用されている方は、一定期間装用を中止し、角膜の形を元の状態に戻す必要があります。
    • 使い捨てソフトコンタクトレンズ:3日間
    • 連続装用ソフトコンタクトレンズ:1週間
    • ハードコンタクトレンズ:2週間
    • 他のオルソケラトロジーレンズ:1か月
適合検査・説明

角膜形状解析再検、角膜内皮細胞撮影等の適応検査を行ったのち「試用レンズ規格算出プログラム(フィッティングマスター)」を用いて適切なトライアルレンズを選択。装用後の度数(オーバーレフ)および細隙灯顕微鏡を用いてフィッティングを慎重に確認。
個々に合わせた説明をおこないます。
 
* 状況に依り、[1], [2]は同日におこなうことも可能です。
* フィッティング・装用練習など、長ければ2時間以上の時間を要することもあります。
* [1], [2] 適合検査の日程は、お電話でご相談ください。

貸出レンズ装用翌日の診察

(来院日の前日に、貸出トライアルレンズを装用し就寝)
一晩試して頂いた翌日、角膜の状態を詳細に検査する。
 
* 日曜日装用→月曜日来院 など 日程調整は可能です。

1週間後の診察

ある程度の治療効果を判定できる期間。
問題なければ治療用レンズ発注(トライアルレンズ返却)

受渡し日
(装用開始日)
2週間後の診察
1か月後の診察
3か月後の診察
以降3か月毎に診察

毎回、新しいレンズケースをお渡しします。
治療用レンズ交換の必要の判定も行います(通常2年程度)。

オルソケラトロジー治療:費用

自由診療(税込価格)

○ 適合検査のみ:¥5,500
お試し期間:
 両眼¥55,000/片眼¥33,000

(1週間目までの検査・診察代、保証金、トライアルレンズ使用料、初期導入セット・ケア用品込) 
 * お試し期間の間に治療を中止された場合は、両眼¥30,000/片眼¥15,000を返金します。

本治療に移る場合:
 初年度 
 両眼¥110,000/片眼¥66,000(レンズ代、1年間の検査・診察代・管理費込)
 2年目以降(1年毎に)
 両眼/片眼¥22,000(1年間の検査・診察代・管理費込)

 * 概ね2年毎でレンズ交換(両眼¥66,000/片眼¥33,000)

○ 本治療に移る場合:

◎「オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除」の対象となります。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/66.htm

小児の近視進行抑制:原理の追求

“peripheral abberation” の考え方
網膜周辺部のピントのずれが小児の眼軸長進展(=近視の進行)を促進する可能性

オルソケラトロジーによる近視進行抑制効果:メタ解析による高いレベルでのエビデンスが多く発表されています。

Si, J.-K., et al. 2015. Orthokeratology for Myopia Control: A Meta-analysis. Optometry and Vision Science 92, 6.

Swarbrick, H.A., 2018. Orthokeratology for myopia control: an optometrist’s view. Ann. Eye Sci 3, 17–17. https://doi.org/10.21037/aes.2018.02.01

20歳未満は”慎重処方”となっています。特に安全性を重視して、治療をおこないます。

オルソケラトロジーガイドラインの準拠

オルソケラトロジーガイドライン第2版(日本眼科学会雑誌121巻12号)より一部抜粋
医師は以下の2つの条件を満たしています。

眼科専門医である。
眼科専門医とは、
(1)日本眼科学会および日本眼科医会の会員。
(2)5年以上眼科臨床を研修した。
(3)専門医制度委員会が行う専門医認定試験に合格。
の条件を満たした医師。
5年ごとにその資格を更新しなければなりません。
 
オルソケラトロジーに関する専門の講習会を受講し、それぞれ修了証・受講証の発行を受けた。
・日本眼科学会の指定するオルソケラトロジー講習会
オルソケラトロジーの治療に関する全般的な知識を学ぶ。
・製造販売業者(ユニバーサルビュー社)主催のオルソケラトロジー講習会
レンズ特有のデザイン構造や原理、フィッティング方法を学ぶ。
患者さんに最も適したレンズを選定し、治療にあたるための専門的な知識を学ぶ。

処方前スクリーニング検査
処方前には以下の諸検査を実施し,オルソケラトロジーの適応があるか否かについて慎重に評価する必要がある。
1) 視力検査: 裸眼および矯正視力
2) 屈折検査: 自覚,他覚
3) 角膜曲率半径計測
4) 細隙灯顕微鏡検査
5) フルオレセイン染色検査
6) 角膜形状解析検査
7) 角膜内皮細胞数測定
8) Schirmer I法試験
9) 眼底検査
10) 眼圧測定
11) 瞳孔径測定(明所,暗所)

オルソケラトロジーの適応
1) 年齢
 20歳以上。20歳未満は慎重処方。
2) 対象
 屈折値が安定している近視、乱視の屈折異常。
3) 屈折矯正量
 1. 近視度数は、−4.00 D までを原則とする。また乱視度数は−1.50 D 以下とする。明確な倒乱視、または斜乱視については,十分に検討のうえ処方する。
 2. 角膜中心屈折力が 39.00 D から 48.00 D まで。
 3. 治療後の屈折度は過矯正にならないことを目標とする。
4) 眼疾患を有していない健常眼でかつ次の 1, 2 であること。
 1. 角結膜に顕著なフルオレセイン染色がなく、Schirmer I法試験にて5分・5mm 以上であること。
 2. 角膜内皮細胞密度が 2,000 個/mm2以上であること。

オルソケラトロジーの禁忌(使用できない方)
1) 前述の適応に適合しない患者。
2) インフォームド・コンセントが得られない患者。
3) 定期検診に来院することが困難な患者。
4) 妊婦、授乳中の女性あるいは妊娠の計画がある女性。
5) 免疫疾患のある患者〔例えば後天性免疫不全症候群(AIDS)、自己免疫疾患〕あるいは糖尿病患者。
6) コンタクトレンズの装用、またはケア用品の使用によって、眼表面あるいは眼付属器にアレルギー性の反応を起こす、または増悪する可能性のある患者。
7) 前眼部に急性、亜急性炎症または細菌性、真菌性、ウイルス性などの活動性角膜感染症のある患者。
8) 角膜、結膜(春季カタルなど)、眼瞼の疾患、およびそれらに影響を及ぼす損傷、奇形などがある患者。
9) 重症な涙液分泌減少症(ドライアイ)患者。
10) 角膜知覚の低下している患者。
11) 治療途中に車あるいはバイクの運転をする患者、または視力変化が心身の危険に結びつくような作業をする患者で他の屈折矯正方法を一時的にでも用いることが困難な場合。
12) 不安定な角膜屈折力(曲率半径)測定値あるいは強度に不正なマイヤー像を示す(不正乱視を有する)患者。