「子どもの近視が進んでいる」と言われたとき、選択肢として名前の挙がることが多いのがオルソケラトロジーとマイサイト(MiSight® 1 day)です。どちらも近視の進行抑制に使われていますが、仕組みも生活への影響も費用もまったく異なります。当院の情報をもとに整理しました。
夜寝るときだけ特殊なハードコンタクトレンズをつけ、朝に外す方法です。寝ている間に角膜の形を整え、日中は裸眼で過ごせます。
朝に装用して夜に外す1日使い捨てのソフトコンタクトレンズです。近視の矯正と進行抑制を同時に目的として設計されています。
| 比較項目 | オルソケラトロジー | マイサイト |
|---|---|---|
| 装用タイミング | 就寝中のみ(8時間程度) | 起きている間(日中のみ) |
| レンズ種類 | ハードレンズ(繰り返し使用) | ソフトレンズ(1日使い捨て) |
| 日中の見え方 | 裸眼で生活できる | レンズを装用したまま過ごす |
| 水・お風呂・昼寝 | 日中は外しているので問題なし | 水泳・お風呂・昼寝でも必ず外す必要あり |
| 適応近視度数 | 一般的な適応:〜−4.00D 程度まで それ以上は角膜形状などを見て個別に判断します | 進行抑制のエビデンス対象:−0.75〜−4.00D(等価球面) レンズ度数の製作範囲:〜−10.00D まで |
| 乱視への対応 | 角膜乱視 −1.50D 以上は特注レンズ(BOC-TD)で対応可 角膜の形や乱視の種類によっては適応外となる場合があります → 当院記事:乱視用のオルソケラトロジー | 乱視 −0.75D まで対応可 乱視度数が大きいと見え方に影響することがあります → 当院記事:マイサイトと乱視 |
| 近視進行抑制の承認 | 日本では未承認 近視矯正としての承認のみ。進行抑制効果を示す研究はあるが、日本での適応承認はない。 | 近視進行抑制で承認済 2025年、日本初の近視進行抑制ソフトCLとして承認。 |
| 近視抑制効果(研究値) | 眼軸長の伸びを 30〜60% 程度抑制する研究報告あり(メタ解析) | 3年間で近視度数の進行を 59%、眼軸長の伸びを 52% 抑制(眼軸長の伸びは 0.30mm、対照 0.62mm。MiSight 臨床試験) |
| レンズ紛失時 | ¥33,000 / 枚。その間は日中の視力矯正手段がなくなる | 1日使い捨てのため1枚紛失しても翌日分から継続できる |
| 初めてのCL | ハードレンズで慣れるまで時間がかかることも | ソフトなので違和感が少ない場合が多い |
→ 当院記事:コンタクトをしたまま寝る「危険性」
| 年次 | オルソ | 管理プログラムA | 管理プログラムB |
|---|---|---|---|
| 1年目初期費用含む | ¥165,000トライアル ¥55,000 +本治療 ¥110,000 |
¥279,160初期 ¥55,000(1ヶ月分含む) +年間管理費17,600円+レンズ・薬剤代 ¥206,560 |
¥222,200初期 ¥55,000(1ヶ月分含む) +年間管理費17,600円+レンズ代 ¥149,600 |
| 2年目通常年 | ¥23,100 | ¥237,760年間管理費17,600円+レンズ・薬剤代 | ¥180,800年間管理費17,600円+レンズ代 |
| 3年目レンズ交換あり | ¥89,100管理 ¥23,100 +交換 ¥66,000 |
¥237,760 | ¥180,800 |
| 4年目〜通常年 | ¥23,100 / 年 | ¥237,760 / 年 | ¥180,800 / 年 |
| 3年累積 | ¥277,200 | ¥754,680 | ¥583,800 |
※ マイサイトの金額は、12か月分の使用量に相当する費用です。1年目は、初期導入費用に含まれる初回1か月分を除いた11か月分のレンズ代(両眼22箱)で計算しています。レンズは3か月分ずつ購入するため、購入の時期によって初年度の実際のお支払額は異なります。
オルソケラトロジーが向いているケース
日中はスポーツや屋外活動が多く、できるだけ裸眼で過ごしたいお子さん。乱視がある場合にも対応できます(詳細は診察時に)。近視度数は−4.00Dまでが原則で、それ以上は角膜の形などを見て個別に判断します。
マイサイトが向いているケース
初めてコンタクトレンズを使うお子さん、または就寝中のレンズ管理に不安があるご家庭。−4.00Dを超える近視にもレンズを作ることができ(製作範囲は−10.00Dまで。国内の臨床試験の対象は−0.75〜−4.00D)、日本で承認を受けた近視進行抑制治療を希望される場合にも選択肢になります。
どちらの治療でも、「やってみたい」というお子さん本人の気持ちがとても大切です。保護者の方の希望が先走りすぎると、長続きしにくいことがあります。
マイサイト(MiSight® 1 day)についてよくある質問
マイサイトは保険適用ですか?
マイサイトのレンズ代と継続管理プログラムは、自由診療(公的医療保険の適用外)です。2026年6月に始まった近視進行抑制の選定療養では、近視進行抑制の効能で承認された点眼薬(リジュセア®ミニ)が対象となっていますが、コンタクトレンズは対象に含まれていません(2026年10月時点)。
初回の検査と説明は保険診療です。通常のコンタクトレンズを使って適応や着け外しを確認してから、マイサイトに移行する2段階の方法も選べます(移行時は44,000円)。
マイサイトの費用は医療費控除の対象になりますか?
マイサイトについて、国税庁から明確な取り扱いは示されていません(2026年10月時点、たける眼科で確認した限り)。
国税庁の質疑応答では、オルソケラトロジーの費用は「角膜を矯正して視力を回復させる治療の対価」として、医療費控除の対象とされています。一方、近視を矯正するための眼鏡やコンタクトレンズの購入費は対象外です。マイサイトは、視力の矯正と近視の進行抑制の両方を目的とするレンズです。そのため、確定申告の前に税務署へご確認ください。
領収書は保管しておいてください。医療費控除は、1年間に支払った医療費から保険金などで補填される額を差し引き、さらに10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を差し引いて計算します(控除額の上限は200万円)。
マイサイトのデメリットはありますか?
毎日の装用と着け外しが必要です。慣れたあとは1日10時間以上・週6日以上の装用が目安で、お子さん本人の着け外しと保護者の方のサポートが欠かせません。
寝る前、昼寝、お風呂、水泳のときは外します。一度外したレンズは使わず、新しいレンズに交換します。
装用したまま眠ると、角膜障害のリスクが高まります。起きている間の使用でも、角膜の傷や感染症が起こることがあります。痛み・充血・見えにくさがあれば、装用をやめて早めに受診してください。暗い場所で光のにじみやまぶしさを感じることもあります。
効果には個人差があり、近視の進行が止まるわけではありません。3か月ごとの受診が続き、費用は1年目は約22万円、2年目以降は約18万円(両眼)かかります。
マイサイトとオルソケラトロジー、どちらがいいですか?
どちらが優れているかではなく、お子さんの生活や目の状態に応じて選びます。
初めてコンタクトレンズを使うお子さんや、就寝中のレンズ管理に不安があるご家庭では、マイサイトが選択肢になります。日中を裸眼で過ごしたいお子さんでは、オルソケラトロジーが選択肢になります。装用の時間や費用の違いは、このページの比較表と費用の表をご覧ください。
マイサイトを始めると、どのくらい通院しますか?
開始後の最初の1か月は、慣れるまでの確認が中心です。
- 初回(保険診療):検査と説明
- 開始日(約2時間):調節麻痺薬を使った検査、度数の決定、視能訓練士による初回の装用練習、眼科専門医による適応判定
- 3〜7日後(最大60分程度):2回目の装用指導
- 1週間後:定期検査
- 1か月検診:続けるかどうかを決めます(評価期間)
- 1か月検診の3か月後から、3か月ごと:精密検査(眼軸長測定・AI解析レポート)とレンズの購入
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| 初期導入費用 | 55,000円(検査・適応判定・装用指導・初回1か月分のレンズ2箱を含む) |
| 年間管理費 | 17,600円(年1回。3か月ごとの精密検査4回分を含む) |
| レンズ代 | 1箱6,800円。3か月分(両眼6箱)40,800円を受診時に窓口でお支払い |
| 1年目の目安 | 約22万円 |
| 2年目以降の目安 | 約18万円 |
| 追加の診察・再指導 | 1回3,300円 |
料金は2026年9月現在のものです。
※ 早産に伴う近視(未熟児網膜症など)や病的近視の方は、これらの治療の対象外となる場合があります。詳しくは診察時にご確認ください。
※ 費用・プログラム内容は変更になる場合があります。最新情報はお問い合わせください。
※ 片眼のみの場合は費用が異なります。詳しくはスタッフにお尋ねください。
※ 本ページの情報は2026年9月現在のものです。
![たける眼科 | 福岡市早良区 高取商店街[西新駅/藤崎駅]](https://takeru-eye.com/wp-content/uploads/2022/10/takeru_logo_for-WP-header.png)