こどもの近視・屈折異常:0.01%低濃度アトロピンの効果

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こどもの近視・屈折異常:0.01%低濃度アトロピンの効果

近視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できますが、眼軸長が進展した(目の奥行が長くなった)高度近視の場合、網膜剥離・近視性黄斑変性・白内障・緑内障の早期発症のリスクが高まることが知られています。

アトロピンは毛様体筋(ピントをあわせる筋)を麻痺させ眼軸長の進展を抑えることで近視進行を抑制することがわかっており、これまでにも様々な成果が報告されています。現行の1%アトロピン点眼液では、瞳孔が開くこと(散瞳)でものがみづらくなったり、発熱等の副作用があるため現実的に使用することは困難です。

シンガポールで2006年に始まった6-12歳の小児400人を対象とした研究で、0.01%に希釈したアトロピンを点眼することにより5年後に有意に近視を抑制することがわかりました(2016.2月 アメリカ眼科学会誌)。

この研究でも治療の限界はあり、0.01%アトロピン投与群の9.3%には最初の2年間では効果が認められなかったことが記載されています。

各方面のご協力により、0.01%アトロピン点眼を用意できるようになりました。

100倍に希釈したアトロピンに、散瞳や発熱等の副作用の報告は殆どありません。

ご興味のあるかたはご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。

» Low-Dose Atropine for Kids with Myopia(こどもの近視に対する低用量アトロピン療法)

Five-Year Clinical Trial on Atropine for the Treatment of Myopia 2

https://doi.org/10.1016/j.ophtha.2015.07.004

Ophthalmology. 2016 Feb;123(2):391-9.

» 学童の近視進行予防7項目|近視研究会研究会

[0.01%アトロピン点眼液]

・アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありません。
・眼圧(IOP: Intraocular eye pressure)に影響を与えません。
・白内障を形成するとの報告はありません。
・点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありません。
・電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありません。
・少なくとも2年間の継続使用がすすめられています。

(注意事項)
○就寝前に1滴だけ点眼し、目頭を軽くおさえてください(2滴以上点眼しない)。
○0.01%アトロピン点眼液は清潔に保ち、1か月で必ず処分してください。
○医師の指定した再来間隔をお守りください。
○ときどきまぶしく感じられることがあります。
○異常が感じられた場合は点眼を中止し、必ず診察を受けてください。

 * マイオピンも対応できるようになりました。詳しくはお問い合わせください。

追記:
「近視ブーム」(2019年4月24日)

» 「近視ブーム」

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