まつげの生え際よりも奥に、マイボーム腺 があります。
鏡でよくみると、点々が並んでいるのがわかるかもしれません(マイボーム腺開口部)。
インサイドライン(インサイドメイク・粘膜アイライン):
マイボーム腺(開口部)にアイラインを引く こと、
目に悪い影響を及ぼしてしまうことがあります。
インサイドラインのアートメイク:目の表面を障害する理由
マイボーム腺とは、
涙の成分になる”油”を常時排出し、目の表面をおおう涙液を蒸発させることを防ぐ
大事な働きをしている場所です。
インサイドラインのアートメイク:目に危険な理由
引き起こす目の疾患と、対処法を記載します。
ドライアイ
まばたきをすると、黒目(角膜)の表面はうすい涙のフィルムで覆われます。
拡大すると3層構造(油層/水層/ムチン層)
マイボーム腺機能不全に陥ると、油層に影響
→涙の蒸発を妨げられなくなり、ドライアイによる目の表面の不快感につながります。
マイボーム腺機能不全(Meibomian gland dysfunction, MGD)
目の不快感の主因になっていることがあります。
上述の鏡でみた点々のひとつひとつが、ふくれていることも見ることができます。
(*NHKテレビで”タピオカサイン”と紹介されていました)
番組名:ガッテン!
「まぶたを見れば一発判明!疲れ目乾きに真・癒やしワザ」
2020年7月22日(水)午後7時30分
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20200715/index.html
インサイドラインを引いたアイライナーを落とす
綿棒を使ってマイボーム腺開口部付近を綺麗に保ち、ときどき温める(お風呂でタオルを使用)
→油層が溶け出してドライアイ症状が改善することがあります。
アレルギー性結膜炎
結膜とは:
まぶたの裏・白目を覆う透明な膜、
血管・リンパ管が多く含まれており、炎症を起こしやすい組織です。
化粧の中に入っている抗原(アレルゲン)
→結膜にアレルギーの炎症反応を引き起こします。
まつげエクステ(マツエク)が原因となっていることもあります。
まぶたの裏の写真をとってお見せしています。
抗炎症薬点眼・抗アレルギー薬点眼を使用します。
霰粒腫(ものもらい)
マイボーム腺が詰まる(マイボーム腺梗塞)
→出てこれなくなった油がまぶたの中にたまり、無菌性の炎症をおこします。
いわゆる「ものもらい」です。
点眼にて改善なければ、
眼科外来で切開をおこなうこともあります。
角膜感染症
マイボーム腺開口部付近とくろめ(角膜)は接しているため、角膜感染症のリスクが高まります。
コンタクトレンズ装用に伴う角膜感染症の記載が参考になります。
抗生剤点眼・軟膏点入を基本として
状況に応じて、抗生剤内服・点滴
重篤な状態になれば、角膜移植をする必要もあります。