こどもの弱視「アトロピン点眼後の検査」リマインダーアプリのご紹介

こどもの視力検査を終え、視能訓練士・医師から「より詳しく調べるため、ご自宅で1週間、アトロピンという目薬を点眼してから、もう一度検査に来てください」と伝えられた保護者の方へ。

突然のことに、多くの疑問や不安を感じていることと思います。

「なぜ、検査の前にわざわざ目薬が必要なのだろうか」 「こどもが嫌がらずに、毎日続けられるだろうか」

この記事では、こどもの弱視などを調べる精密検査のために行う、アトロピン点眼の目的と重要性について解説します。
この1週間の点眼は「こどもの眼が持つ本来の正確な状態を調べるために、不可欠な準備」です。

特に「毎日忘れずに点眼できるだろうか」というご心配は、多くの保護者の方が抱えるものです。
診察でのお話から、点眼管理をサポートする簡単なリマインダーアプリをつくりました。

アプリのインストールは不要です。以下のツールで期間と時間を設定しボタンを押すだけで、お使いのスマートフォンのカレンダーに点眼スケジュールを一括で登録できます。日々の点眼管理にお役立てください。

アトロピン点眼リマインダー

アトロピン点眼リマインダー

点眼の期間と時間を設定し、カレンダーに登録してください。

なぜ、検査の前にアトロピン点眼が必要なのか

こどもの眼は、大人と違って、ものを見ようとするときのピントを合わせる力(調節力)が非常に強い、という特徴があります。 それは素晴らしい能力なのですが、視力検査の際には、その強い力が無意識に働いてしまうことで、本来の眼の状態とは違う、仮の数値が出てしまうことがあるのです。

例えるなら、身長を測るときに、無意識につま先立ちをしてしまっているような状態です。
そのまま測っても、本当の身長は分かりません。
正確に測るためには、かかとをしっかりと地面につけて、まっすぐ立ってもらう必要があります。

アトロピン点眼が果たすのが、この「かかとをつけさせる」役割です
アトロピンには、この強すぎるピント調節の力を一時的に休ませる働きがあります。
点眼を続けることで、検査の当日には眼の余計な力が抜けて、いわば「リラックスした素の状態」になります。
その状態で検査をすることで、ようやく、そのこどもが持つ本来の度数(屈折値)を、正確に測定することができます。

この正確な測定は、弱視の診断や、そのこどもに最適な眼鏡を処方するために、何よりも重要となります。

1週間の点眼という大切な準備期間

検査のためのアトロピン点眼は、通常、1日2回(朝・夕)、1週間続けていただくようお願いしています。

「毎日2回も、忘れずにできるだろうか」「そもそも、こどもが目薬を嫌がるかもしれない」といった心配は、ごく自然なことです。
特に最初のうちは、親子ともに慣れない作業に戸惑うかもしれません。

大切なのは、点眼を「特別なこと」ではなく、生活の一部として組み込んでしまうことです。
例えば、「朝ごはんを食べたら点眼」「夜の歯磨きをしたら点眼」というように、毎日の決まった行動とセットにすると、習慣化しやすくなります。

もし、うっかり点眼を忘れてしまった日があっても、大丈夫です。
まずはクリニックにご連絡いただき、どうすればよいか指示を受けていただけますと幸いです。
自己判断で回数を増やしたりせず、まずはご相談いただくことが大切です。

点眼期間中にみられる変化について

アトロピン点眼をしている間、こどもの眼には一時的な変化が現れます。 これは目薬がしっかりと効いている証拠であり、検査の準備が順調に進んでいるサインでもあります。

  1. 眩しく感じる(羞明) ピント調節を休ませる作用で、瞳孔(ひとみ)が普段より少し大きくなります。 そのため、光を眩しく感じやすくなります。日中の屋外では、帽子をかぶるなどの工夫をお願いします。
  2. 近くの文字がぼやける 手元にピントを合わせにくくなるため、本を読んだり、宿題をしたりする際に、一時的に見えにくさを感じることがあります。

これらの症状は、点眼をやめれば数日から1週間ほどで元の状態に戻りますので、ご安心ください。

まとめ

こどもの弱視などを調べる精密検査前の1週間のアトロピン点眼は、
正確な診断と、その後の最適な治療方針を決めるために、非常に重要なステップです。

毎日の点眼は、保護者の方にとってご負担の大きいことと存じます。
しかし、この準備期間が、こどもの眼の健やかな発達を守るための第一歩となります。

点眼期間中に何かご心配なことや分からないことがあれば、いつでも遠慮なくご相談ください。

Takeru Yoshimura, M.D., Ph.D.

たける眼科
takeru-eye.com
福岡市早良区「高取商店街」
西新駅/藤崎駅(福岡市地下鉄)

日本眼科学会 眼科専門医
医学博士(九州大学)

当ウェブサイトに掲載されている情報は、一般的な情報提供のみを目的としており、個別の医療アドバイスに代わるものではありません。ご自身の健康状態や治療に関するご質問は、必ず眼科専門医・医療専門家にご相談ください。

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