まぶたのできもの:
大きく2つに分類されます。
ものもらいは、人にうつることはありません。
「結膜炎」とも、別です。
ものもらい:原因と対処・予防
「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」:非感染性
まぶたの縁の脂の出る腺(マイボーム腺)が詰まる
→脂肪がたまってきて炎症を起こす
→腫れる/しこりができる
○ まぶたの内側に出てくるものと、外側に出てくるものがあります。
臨床所見に応じて、点眼・軟膏・内服を使い分けます。
○ こどもの霰粒腫の場合、時間をかけて良くなってしまいます。
ときに数か月の期間をかけて、治ってしまうこともとても多いです。
(目薬だけで、切らずに治る/自然治癒も)
○ 痛みはあまりないことが多い。
○ 最初はまぶた全体が腫れて、数日で丸いかたまりができる。
○ 点眼でしばらく治らない場合には、霰粒腫切開が検討されます。
(成人の場合は、外来・局所麻酔下でおこないます)
完治するまで、点眼を続けます(抗生剤・抗炎症点眼)。
「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」:感染性
まぶたの脂腺(皮脂腺)に菌が感染する。
→腫れる/痛みが続く
○ 75−95%は、黄色ブドウ球菌が原因菌。
○ 抗生剤(点眼・内服)を中心とした治療。
○ 切開してうみ(膿)を出すこともあります。
霰粒腫と麦粒腫の区別
霰粒腫/麦粒腫どちらも、初期症状ではまぶた全体が腫れるため、区別がつかないことがあります。
痛くない場合は非感染性(霰粒腫)、痛い場合は感染性(麦粒腫)を想定。
白い”膿点”がみえることがあります。
早く治すために、
点眼麻酔後、細隙灯顕微鏡下にて針で刺して膿/内容物をある程度出すこともあります(応急処置)。
ものもらいの予防・気をつけること
○ まぶたをあたためる
マイボーム腺の脂肪の詰まりが改善するため、効果があります。
お風呂のタオルであたためる、ホットアイマスクを使う 等
✔ 冷やすよりも、温めるほうが良いです。
○ アイメイクに気をつける
マイボーム腺を詰まらせてしまうことがある:
アイシャンプーを使うこと、効果的と思われます。
○ コンタクトレンズの使用を控える
直接まぶたの縁に触れるため、炎症を悪化させてしまうことがあります。
追記:ものもらいの呼び名の違い(方言)
“ものもらい” は、上記2つ「霰粒腫」「麦粒腫」の通称です。
地域によってかなり呼び方が違うようです。
ものもらいMapがありました😳(ロート社)
福岡県では、
めいぼ・めばちこ・めぼ・めもらい
どれも聴いたことがある気がします。