眼科ドックと健康保険組合の補助金制度

眼科ドックの受診を希望されている方から、
企業の健康診断とは別に「勤務先の健康保険組合の補助金は利用できますか?」というご質問をいただくことがありました。

補助金が適用されるかどうかは、ご加入の健康保険組合によって大きく異なります。

この記事では、眼科ドックに補助金が適用される制度の条件や、福岡県内の主要企業での対応状況について、できるだけわかりやすく解説します。

Table of Contents

健康診断補助制度の基本的な仕組み

多くの企業では、従業員の健康を維持するため、年に1回の定期健康診断に加えて、人間ドックや各種検診に対する補助制度を設けています。

この補助制度には、大きく分けて2つのタイプがあります。

償還払い方式(立替払い)

従業員が自分で医療機関を選んで受診し、費用を全額支払います。

その後、健康保険組合に領収書などの必要書類を提出することで、補助金が振り込まれる仕組みです。

補助の上限額は健康保険組合ごとに異なりますが、一般的には年間20,000円から40,000円程度です。

この方式では、医療機関や検査内容の選択に柔軟性があります。

指定機関・利用券方式

健康保険組合が提携している医療機関や福利厚生サービス会社(ベネフィット・ワンやハピルスなど)の指定コースを利用する方式です。

従業員は利用券や受診券を提示し、自己負担額のみを支払います。

この方式では、指定されたコース以外の検査は補助の対象外となることがほとんどです。

提携外の医療機関での受診や、指定コース外のオプション検査には補助が適用されません。

眼科ドックに補助金が使える場合

眼科ドックのような専門的な検査に補助金が適用されるのは、主に「償還払い方式」の制度を採用している健康保険組合の場合です。

適用される可能性が高いケース

大企業の組合健保や一部の共済組合では、人間ドックの補助制度において「任意追加検査」や「オプション検査」も補助対象に含めているところがあります。

これらの制度では、従業員が受診した医療機関で領収書を受け取り、後日健康保険組合に申請することで補助金を受け取れます。

補助金の申請時には、領収書に加えて「検査項目明細書」の提出を求められることがあります。

そのため、受診時には会計窓口で「健康保険組合への補助金申請に使用したい」とお伝えください。

適用されないケース

協会けんぽ(中小企業が多く加入)では、生活習慣病予防健診の範囲内での補助が中心となっており、眼科ドックのような任意検査への追加補助制度は原則として設けられていません。

また、指定機関・利用券方式を採用している健康保険組合では、提携外の医療機関での受診や、指定コース外の検査は補助対象外となります。

公務員の共済組合や一部の大手企業では、この方式を採用していることが多く見られます。

たとえば、JR健康保険組合では、オプション検査について「全額自己負担」と明記されています。

福岡県内の主要企業における補助制度の状況

ここでは、福岡県内に拠点を持つ主要企業の健康保険組合について、眼科ドックへの補助金適用の可能性をご紹介します。

ただし、制度の詳細や最新の内容については、必ず各健康保険組合または勤務先の人事部にご確認ください。

補助金が適用される可能性が高い企業

安川電機健康保険組合

北九州市に本社を置く安川電機では、人間ドックに対して上限40,000円の補助を行っています。

この制度は償還払い方式で、最寄りの医療機関で受診後に申請することができます。

22,000円の眼科ドックであれば、40,000円の上限内で十分にカバーされます。

TOTO健康保険組合

北九州市に本社を置くTOTOでは、人間ドックや脳ドックに対して上限35,000円の補助を行っています。

申請書には領収書を添付する形式となっており、償還払い方式が採用されています。

人間ドック、脳ドック、PET健診といった高額な検査の補助が制度として整っているため、眼科ドックも補助対象に含まれる可能性があります。

申請期限が年度末より早い場合があるため、注意が必要です。

私立学校教職員の共済制度

福岡大学や西南学院大学など、私立学校に勤務する教職員が加入する私学共済では、人間ドック利用料金の50%を補助し、上限は20,000円となっています。

償還払い方式が採用されており、特筆すべき点として「基準検査項目以外の任意追加検査についても、補助対象に含まれます」と明記されています。

これは、OCTを含む眼科ドックにとって重要な根拠となります。

ただし、補助の条件として「指定する検査項目をすべて受診した場合」に限られ、「すべての項目について内訳の記入を受けてください」という記載があります。

申請時には、領収書だけでなく検査項目明細書が必要になります。

トヨタ関連部品健康保険組合

トヨタ紡織九州など、トヨタ関連部品メーカーの従業員が加入する健康保険組合では、人間ドック費用の50%を補助し、上限は15,000円となっています。

「どこの病院でも受診可能」と償還払いが明記されています。

22,000円の眼科ドックに対して15,000円の補助が適用され、自己負担は7,000円となります。

なお、トヨタ自動車健康保険組合(本体)とは全く別の制度ですので、保険証の「保険者名」で必ず確認してください。

ニデック(NIDEC, 日本電産)

福岡県内にも営業所を持つニデック(NIDEC, 日本電産:モーターメーカー)の健康保険組合では、50歳以上を対象に人間ドック補助として22,000円を支給しています。

償還払い方式が採用されているため、22,000円の眼科ドックであれば補助上限内で全額カバーされる可能性があります。

(眼科機器メーカーのNIDEK(株式会社ニデック)とは異なる企業です)

眼科関連企業の補助制度について

眼科関連企業(眼科医療機器メーカー、コンタクトレンズメーカー、眼鏡チェーン、眼科製薬等)にお勤めの方から、「眼科業界で働いているので、眼科ドックの補助は受けやすいのでは?」というご質問をいただくことがあります。

しかし、調査の結果、眼科関連企業であっても、補助制度の充実度は所属する健康保険組合によって大きく異なることが明らかになっています。

補助金が適用される可能性が高い眼科関連企業

以下の企業では、償還払い方式または充実した補助制度により、眼科ドックへの補助適用の可能性が高いと考えられます。

ニコン(ニコン・エシロール親会社)

ニコン健康保険組合に加入しており、純粋な償還払い方式を採用しています。全額立替後、領収書原本とニコン健保指定の申請書を提出することで補助金を受け取れます。申請期限は受診から6ヶ月以内となっています。眼科ドック適用の可能性が極めて高い企業です。

ボシュロム(帝人グループ)

帝人グループ健康保険組合に加入しており、上限20,000円まで実費を補助する償還払い方式を採用しています。22,000円の眼科ドックの場合、20,000円が補助され、自己負担は2,000円となります。

HOYA

三井健康保険組合に加入しており、健診費用の80%を補助する方式を採用しています。22,000円の眼科ドックの場合、理論上は17,600円が補助され、自己負担は4,400円となる計算ですが、補助の上限額については事前確認が必要です。

興和(KOWA)

日本証券業健康保険組合に加入している可能性があり、ハイブリッド型の補助方式を採用しています。提携外機関での受診の場合は償還払いで申請できますが、「医療機関発行の個人結果通知の写し(全ページ)」の提出が必要であり、事務的なハードルが高い点に注意が必要です。

OWNDAYS

農林水産省健康保険組合に加入している可能性があり、償還払い方式を採用しています。特筆すべき点として、胃カメラや脳ドック等のオプション検査の補助申請について詳細に説明されており、眼科ドックにも適用される可能性が高いです。ただし、「オプション検査は基本健診と同日・同一機関で受診」という条件があります。

わかもと製薬

健康保険組合名は不明ですが、従業員による口コミ情報によれば「健康診断や人間ドックに対する補助は充実している」との評価があり、大規模な健康保険組合に加入していることが示唆されています。

補助金が適用されない、または詳細不明の眼科関連企業

以下の企業では、眼科ドックへの補助適用が困難、または制度の詳細が不明です。

トプコン

東京都電機健康保険組合に加入している可能性があります。この健保組合では提携機関での受診が前提となっており、「オプションで追加した検査は全額自己負担」と明確に規定されているため、眼科ドックのようなオプション検査は補助対象外となります。

TOMEY(トーメー)

協会けんぽに加入していると推測され、法定最低限の補助制度に留まる可能性が高いです。

JINS、Zoff

協会けんぽに加入していると推測され、眼科ドックへの追加補助制度は存在しない可能性が高いです。

詳細不明の企業

以下の企業については、健康保険組合名や補助制度の詳細が公開されていないため、眼科ドックへの補助適用の可否は不明です。

  • NIDEK(株式会社ニデック・眼科機器メーカー) – 愛知県蒲郡市。最重要調査対象ですが情報が一切確認できませんでした。
  • キヤノン – キヤノン健康保険組合が存在しますが、詳細はパスワード保護により不明。
  • 参天製薬 – 東京都電機健康保険組合の可能性がありますが、詳細不明。
  • 千寿製薬、ロート製薬、ライオン、小林製薬 – 採用ページに「社会保険完備」の記載のみ。
  • メニコン、J&J Vision – 健康保険組合名、補助制度ともに不明。
  • SEED – 総合型福利厚生サービス(ベネフィット・ワン等)利用の可能性。
  • クーパービジョン – 手厚い福利厚生ありとの記載があるが、詳細不明。
  • 日本アルコン – ニッセイ健保の可能性がありますが、信頼度の低い情報のみ。
  • カールツァイス、パリミキ、眼鏡市場(メガネトップ) – 情報なし。

眼科関連企業にお勤めの方へ

眼科関連企業にお勤めであっても、「眼科業界だから眼科ドックの補助がある」とは限りません。

補助制度の有無や内容は、企業ではなく、所属する健康保険組合によって決まります。

特に、ニコンやボシュロムのように償還払い方式を採用している健康保険組合では、眼科ドックが補助対象となる可能性が高い一方で、トプコンのように提携機関限定の方式では、オプション検査が全額自己負担となる場合があります。

これらは眼科分野の大手企業であるため、従業員向けの眼科関連の福利厚生が充実している可能性が高く、手厚い償還払い制度を備えていると推測されます。

ご自身の健康保険組合の制度内容を事前に確認し、必要に応じて人事部や健康保険組合に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

補助金が適用されない企業

協会けんぽ(中小企業)

全国健康保険協会(協会けんぽ)では、生活習慣病予防健診の補助が中心となっており、22,000円の任意オプション検査への追加補助制度は存在しません。

JR九州(JR健康保険組合)

JR健康保険組合では、オプション検査について「全額自己負担」と明確に規定しています。

指定機関での受診が前提となっており、基本コース以外の検査には補助が適用されません。

九州大学(文部科学省共済組合)

国立大学の教職員が加入する共済組合では、ベネフィット・ワンのハピルス健診サイトを利用した指定機関モデルとなっています。

この場合、償還払い方式による補助は受けられません。

福岡市役所・福岡県庁(地方公務員共済組合)

地方公務員共済組合では、指定施設での受診が前提となっています。

指定機関以外での受診は補助対象外です。

西日本シティ銀行

NSD健康保険組合と推測されますが、西日本産業衛生会などの指定機関での予約フローが記載されており、償還払いモデルではありません。

トヨタ自動車(本体)

トヨタ自動車健康保険組合では、「個別で希望受診する『人間ドック』への補助は実施していません」と明記されています。

トヨタ関連部品健康保険組合とは異なる制度ですので、ご注意ください。

NTT西日本(NTT健康保険組合)

指定機関での利用券方式を採用しているため、提携外の医療機関での受診は補助対象外となります。

補助金を利用する際の確認事項

ご加入の健康保険組合で眼科ドックに補助金が利用できるかどうかは、事前にご確認いただくことをおすすめします。

確認すべきポイント

保険証に記載されている「保険者名」を確認してください。

「○○健康保険組合」「全国健康保険協会(協会けんぽ)」「○○共済組合」といった記載があります。

健康保険組合のホームページや配布資料で、人間ドック補助制度の内容を確認します。

特に、以下の点を見てください。

  • 補助の方式が「償還払い(立替払い)」となっているか
  • 「任意検査」や「オプション検査」が補助対象に含まれるか
  • 申請に必要な書類(領収書のみか、検査項目明細も必要か)
  • 申請期限(年度末、受診後3ヶ月以内など)
  • 被扶養者(家族)の適用条件

健康保険組合によっては、被保険者本人と被扶養者で補助の条件や金額が異なる場合があります。

配偶者の方が受診される場合は、特にご注意いただきますようお願いいたします。

問い合わせ先

ご不明な点がある場合は、勤務先の人事部や健康保険組合に直接お問い合わせいただくのが確実です。

「OCTを含む眼科ドック(自由診療、22,000円)は、人間ドック補助の対象になりますか」と具体的に質問されることをおすすめします。

また、申請に必要な書類や申請期限についても併せて確認されると良いでしょう。

補助金と税務について(ご参考)
企業の健康診断補助制度は、一定の条件を満たす場合、福利厚生費として非課税扱いとなります。
ただし、以下のような場合には、給与所得として課税対象となる可能性があります。

  • 高額なオプション検査のみを受診し、基本的な健康診断項目を受診していない場合
  • 特定の従業員のみに高額な補助を行っている場合
  • 被扶養者(家族)への補助が著しく高額な場合

多くの健康保険組合では、人間ドックの基本項目とオプション検査を組み合わせた形で補助を行っているため、通常は非課税となりますが、気になる場合は勤務先の総務・経理部門にご確認ください。
なお、これは企業側の経理処理に関する情報であり、従業員の皆様が直接対応する必要はありません。

当院での対応について

当院では、健康保険組合への補助金申請に必要な書類を発行しております。

発行可能な書類

領収書(補助金申請用)と受診証明書・検査項目明細書を用意しています。

領収書には、「総合眼科検診費用(OCT含む)」という但し書きを記載し、補助金申請に使用できる形式で発行いたします。

検査項目明細書には、視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査、OCT検査といった実施項目を明記します。

私学共済など、検査項目の詳細な記載を求める健康保険組合の申請に対応できます。

会計時に「健康保険組合への申請に使用します」とお伝えいただければ、適切な形式で発行いたします。

予約時のご案内

予約時に、ご加入の健康保険組合名をお伝えいただければ、補助金適用の可能性や必要書類について事前にご案内できる場合があります。

ただし、最終的な補助金の適用可否は、各健康保険組合の判断となります。

当院では、上記の企業など、償還払い方式を採用している健康保険組合にお勤めの方に多くご利用いただいております。

申請時の注意点

オプション検査の否認リスク

健康保険組合によっては、明確に「オプションは自己負担」と規定しているところがあります。

予約時のトリアージで「対象外」と判明した場合は、全額自費診療となることをご了承ください。

書類不備による否認リスク

私学共済のように、指定項目の受診や項目明細の提出を求める保険者に対し、領収書のみを提出すると、申請が否認される可能性があります。

必要な書類については、事前に健康保険組合にご確認いただくことをおすすめします。

申請期限

TOTO健康保険組合では申請期限が3月20日と年度末より早く設定されています。

また、一部の健康保険組合では「受診から6ヶ月以内」といった期限が設けられている場合があります。

年度末(3月)に受診される方は、特に申請期限にご注意ください。

保険者名の確認

同じグループ企業でも、健康保険組合が異なる場合があります。

トヨタ自動車本体とトヨタ関連部品では、制度が全く異なります。

必ず保険証の「保険者名」をご確認ください。

以下、訂正版の追加補足情報のみを出力します。既存の記事の該当箇所に挿入してご使用ください。


補助金申請時の追加注意事項

電子決済での支払いについて

クレジットカードでの支払いも一般的になっています。

多くの健康保険組合では、現金以外で支払った場合でも、領収書に受検者の氏名や検査内容が記載されていれば、補助金申請の対象として認められます。

電子決済をご利用の場合は、会計時に必ず「受検者の氏名が記載された領収書」を受け取るようにしてください。

クレジットカードの利用明細やスマートフォンの決済履歴だけでは申請が認められない場合があります。必ず、領収書を受け取るようにしてください。

Web申請システムの活用

九電工健康保険組合では、健康ポータルサイト「MY HEALTH WEB」を通じた個人申請が可能です。

このようなWeb申請システムでは、領収書や明細書を画像データとしてアップロードする形式が主流です。

多くの場合、スマートフォンで撮影した画像も申請に利用できますが、文字がはっきりと読み取れることが必要です。

Web申請をご利用の際は、撮影時に以下の点にご注意ください。

  • 領収書全体が画面に収まっていること
  • 文字がぼやけたり、光が反射したりしていないこと
  • 金額、日付、医療機関名が明瞭に読み取れること

健康診断結果の電子申請義務化について(企業向け情報)
2025年1月より、企業が労働基準監督署へ提出する「定期健康診断結果報告書」は、原則として電子申請(e-Gov等)が義務化されました。
ただし、これは企業側が労働安全衛生法に基づいて行う報告義務であり、従業員個人が健康保険組合へ行う「補助金申請」とは別の手続きです。
従業員の皆様が行う補助金申請については、従来通り紙の申請書やWeb申請システム(健康保険組合が提供するもの)を利用する形となります。
企業の定期健診報告義務と、個人の補助金申請は異なる手続きですので、混同されませんようご注意ください。

検査の組み合わせについて

眼科ドック単体だけでなく、他の検査と組み合わせて受診することも可能です。

たとえば、人間ドックの基本検査を別の医療機関で受け、眼科ドックは当院で受診するといった方法も、多くの健康保険組合で認められています。

ただし、この場合は複数の領収書を提出する必要があるため、それぞれの領収書に記載された検査内容が重複していないことを明確に示さなければなりません。

また、補助金の上限額は多くの場合「年間」で設定されています。そのため、複数の検査を受ける場合は、合計金額が上限を超えないよう、計画的に受診することが大切です。

眼科ドック以外のオプション検査について
多くの健康保険組合では、眼科ドック以外にも以下のようなオプション検査が補助対象となる場合があります。

  • 脳ドック(脳MRI・MRA検査)
  • 心臓ドック(心臓CT、冠動脈造影検査)
  • がん検診(PET検査、腫瘍マーカー検査)
  • 婦人科検診(乳がん検診、子宮がん検診)
  • 骨密度検査
  • 睡眠時無呼吸症候群検査

これらの検査についても、償還払い方式を採用している健康保険組合であれば、眼科ドックと同様に補助対象となる可能性があります。
ただし、健康保険組合によっては「がん検査のみ」「心臓検査のみ」といった特定の検査を補助対象外とする規定を設けている場合もあります。

申請が承認されなかった場合

万が一補助金の申請が承認されなかった場合でも、多くの健康保険組合で再申請が可能です。

承認されなかった理由として多いのは、以下のようなケースです。

  • 書類の不備(領収書の但し書きが不明確、検査項目明細書の添付漏れなど)
  • 申請期限の超過
  • 補助対象外の検査と判断された場合

不承認の通知を受け取った場合は、まずは健康保険組合へ理由をお問い合わせください。

書類に不備があった場合は、適切な書類を再提出することで承認されることがあります。

当院でも、再申請に必要な書類を発行しておりますので、ご不明点がございましたらご相談ください。

よくある質問

Q. クレジットカードで支払った場合でも補助金は使えますか?

A. はい、ご利用いただけます。ただし、申請には「受検者の氏名が記載された領収書」が必要です。決済アプリの履歴画面やクレジットカードの利用明細のみでは申請できません。会計時には必ず領収書の発行をご依頼ください。

Q. 眼科ドックと脳ドックを同じ年に受けた場合、両方とも補助対象になりますか?

A. 多くの健康保険組合では、年間の補助上限額内であれば、複数の検査を組み合わせて受診することが可能です。例えば、安川電機健康保険組合(上限40,000円)では、22,000円の眼科ドック受診後、残額18,000円を他の検査に充当することが可能です。

Q. Web申請の場合、領収書の原本は提出しなくてよいのですか?

A. Web申請の場合、多くの健康保険組合では、領収書の画像データをアップロードするだけで原本の郵送は不要です。ただし、一部の健康保険組合では後日原本の提出を求められることがありますので、領収書は大切に保管してください。

Q. 申請が承認されなかった場合、受診料金は返金されますか?

A. 当院での受診料金は、健康保険組合による補助金の承認可否に関わらず、受診時にお支払いいただく必要があります。補助金の申請および承認は患者さまと健康保険組合との手続きとなるため、当院から返金はいたしかねます。なお、書類不備等により申請が承認されなかった場合の再申請用書類の発行には、無料で対応しております。

Q. 補助金の上限額は毎年変わる可能性がありますか?

A. はい、変わる可能性があります。健康保険組合の補助制度は、財政状況や制度の見直しにより、年度ごとに変更されることがあります。たとえば、ある年度は上限40,000円だったものが、翌年度は35,000円に減額される、あるいは逆に増額されるケースもあります。また、申請期限や必要書類が変更されることもあります。受診を予定される際は、必ずその年度の最新情報を健康保険組合の公式サイトで確認するか、人事部にお問い合わせください。

Q. 脳ドックやPET検査も同じように補助が受けられますか?

A. 償還払い方式を採用している健康保険組合であれば、脳ドックやPET検査などの高額なオプション検査も、眼科ドックと同様に補助対象となる可能性があります。ただし、一部の健康保険組合では「特定の検査のみ(例:がん検査のみ)は補助対象外」という規定を設けている場合があります。複数の専門ドックを組み合わせて受診する場合は、事前に健康保険組合へ確認することをおすすめします。

Q. 企業が労働基準監督署へ提出する健康診断報告と、個人の補助金申請は関係がありますか?

A. いいえ、直接の関係はありません。2025年1月より、企業が労働基準監督署へ提出する「定期健康診断結果報告書」は電子申請が義務化されましたが、これは企業側の法的義務であり、従業員個人が健康保険組合へ行う補助金申請とは別の手続きです。従業員の皆様は、従来通り健康保険組合が指定する方法(紙の申請書、Web申請システム等)で補助金申請を行ってください。

眼科ドックの重要性

補助金の有無に関係なく、眼科ドックは目の健康を守るために重要な検査です。

緑内障や加齢黄斑変性症など、自覚症状がほとんどないまま進行する病気もあります。

これらの疾患は、早期発見によって視機能の維持や生活の質の向上につながります。

眼科ドックでは、視力検査や眼圧測定といった基本的な検査に加え、OCT(光干渉断層計)による網膜の断層撮影を行います。

これにより、通常の眼底検査では見つけにくい初期の変化を捉えることが可能になります。

職場の健康診断では、眼科検査は視力測定程度に限られることがほとんどです。

40歳を過ぎたら、年に一度の眼科ドックをご検討ください。

当院の眼科ドックについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

眼科ドックのご案内

福岡の眼科ドック

まとめ

眼科ドックに健康保険組合の補助金が使えるかどうかは、制度の内容によって異なります。

償還払い方式で、任意検査が補助対象に含まれている制度であれば、眼科ドックにも補助が適用される場合があります。

指定機関・利用券方式の場合は、通常、眼科ドックは補助対象外となります。

福岡県内では、安川電機、TOTO、私立学校共済、眼科機器メーカーなどの健康保険組合で、償還払い方式が採用されています。

一方、JR九州、九州大学、福岡市役所、協会けんぽなどでは、眼科ドックへの補助適用は難しい状況です。

ご加入の健康保険組合の制度内容を事前に確認されることをおすすめします。

補助金の有無に関係なく、定期的な眼科検診は目の健康維持に役立ちます。

ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

制度変更について
本記事の制度内容は2025年11月時点のものです。
健康保険組合の補助制度は、年度ごとに見直されることがあり、補助上限額や申請条件が変更される可能性があります。
特に以下の点にご注意ください。

  • 補助上限額の変更(増額または減額)
  • 申請期限の変更
  • 必要書類の追加や簡素化
  • 対象年齢の変更
  • 被扶養者への適用条件の変更

受診を検討される際は、必ず最新年度の制度内容を健康保険組合の公式サイトまたは人事部でご確認ください。
多くの健康保険組合では、毎年3月から4月にかけて「令和○年度 保健事業実施要領」などの名称で、新年度の制度内容を公開しています。


参考文献

  1. 安川電機健康保険組合「人間ドック補助金制度/全被保険者」
    https://www.yaskawa-kenpo.or.jp/member/health/checkup_doc.html
  2. TOTO健康保険組合「2025年度 人間ドック・脳ドック・PET健診補助申請書」
    https://www.totokenpo.jp/UploadedFiles/health/checkup.pdf
  3. 私学共済事業「人間ドック利用費用の補助」
    https://www.pmac.shigaku.go.jp/annai/fukushi/kenko/detail/kenko_01.html
  4. ジェイティービー健康保険組合「人間ドックの受診について(ベネフィット・ワン)」
    https://jtbkenpo.or.jp/katuyou/doc_benefit/
  5. NTT健康保険組合「2025年度 通院ドック・特定健診の未予約・未受診者の方へ」
    https://www.nttkenpo.jp/asp/news/news.asp?articleid=173425&page=1
  6. 文部科学省共済組合「2025年度 人間ドック・特定健康診査のご案内 – ハピルス」
    https://kenshin.happylth.com/client/monka/docs/MedicalGuidance.pdf
  7. 安川電機健康保険組合「人間ドック補助金制度/全被保険者 | 各種手続き」
    https://www.yaskawa-kenpo.or.jp/member/application/checkup_doc_b.html
  8. 日本電気健康保険組合「人間ドック補助(家族・任継)」
    https://www.neckenpo.or.jp/hokenjigyou/kenshin_chart/dock_kazokuninkei/
  9. ニデック健康保険組合「健康診断(任意継続・家族)」
    https://www.nidec-kenpo.or.jp/member/health/checkup-family_a.html
  10. 機缶健康保険組合「健康診断(契約医療機関以外)」
    http://www.kikankenpo.or.jp/member/health/checkup03.html
  11. ジェイアールグループ健康保険組合「人間ドック | 健康づくり」
    https://www.jrkenpo.or.jp/health_promotion/medical_checkup/
  12. トヨタ自動車健康保険組合「脳ドック・歯科健診」
    https://www.toyotakenpo.jp/medical_checkup/other/
  13. トヨタ関連部品健康保険組合「人間ドック」
    https://www.toyota-groupkenpo.jp/health_dock
  14. 厚生労働省「労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001281755.pdf
  15. 「2025年度健康診断のご案内と実施手順について」(CMIC健康保険組合)
    https://www.cmic-kenpo.or.jp/member/health/files/checkup_guide.pdf
  16. 「令和7年度 保健事業実施要領」(栗本健康保険組合)
    https://www.kurimoto-kenpo.or.jp/health-promotion/pdf/datahealth_r7.pdf

※このほか、協会けんぽ、地方公務員共済組合、NSD健康保険組合などの公開情報も参考にしています。本記事の制度内容は2025年11月時点のものであり、今後変更となる可能性があります。最新の情報については、各健康保険組合の公式サイトをご確認ください。

Takeru Yoshimura, M.D., Ph.D.

たける眼科
takeru-eye.com
福岡市早良区「高取商店街」
西新駅/藤崎駅(福岡市地下鉄)

日本眼科学会 眼科専門医
医学博士(九州大学)

当ウェブサイトに掲載されている情報は、一般的な情報提供のみを目的としており、個別の医療アドバイスに代わるものではありません。ご自身の健康状態や治療に関するご質問は、必ず眼科専門医・医療専門家にご相談ください。

「症状」を“Googleする”:医療情報を正しくつかうために
https://takeru-eye.com/blog/04102021-never-google-your-symptoms/

目の炎症とは? https://takeru-eye.com/ocularinflammation/

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