眼科では、毎日たくさんの緑内障患者さんを診察しています。
プロスタグランジン製剤(PG製剤; キサラタン・タプロス・トラバタンズ・ルミガンなど)の目薬が第一選択として用いられることが多く、日常的に処方しています。
キサラタン:ラタノプロスト
タプロス:タフルプロスト
トラバタンズ:トラボプロスト
ルミガン:ビマトプロスト
https://www.takeru-eye.com/glaucoma
PG製剤は目の中の水の通り(ぶどう膜強膜流出路)を改善して、眼圧を効果的に下げることができます。
キサラタンが1996年に登場した際には、著名な眼圧下降の効果に世界中で驚いたそうです。
PG製剤には副作用があります。
- 充血(眼炎症を増悪させることもある)
- 眼瞼周囲色素沈着
- 目がくぼむ(へこむ)
- まつ毛が伸びる 等
✔ PG製剤のうち、ルミガン(ビマトプロスト)点眼薬が最も眼圧が下がる:
ほぼ全員の方が、目がくぼんでしまいます(3.の副作用)。
ぶどう膜炎に伴う続発緑内障の診療の際には、’切り札’ 的なルミガンの使い方に苦慮することもあります(1.の副作用)。
✔ 4.をお伝えすると、患者さんの表情が一瞬明るくなることがあります。
緑内障治療中/PG剤治療中のかたは、ほぼ全員が目薬でまつ毛が豊富になっていらっしゃいます。
眼科医になって以来、毎日の診療で使用しているPG剤の目薬ですが、
副作用4.を用いたものを美容で使われていることを知ったときには、びっくりしました。
「点眼する」ことと「まぶたの縁にうすく塗る」ことの違いを、美容目的に利用します。
緑内障点眼薬の副作用/まつ毛の美容:「グラッシュビスタ®」
・まつ毛が短い、細い
・まつ毛が少ない、抜けやすい
・まつ毛が年齢とともに減ってきた
・マツエクをして、まつ毛がダメージを受けている
・マスカラなどの化粧によって、まつ毛がダメージを受けている
など、まつ毛のことで困っているかた・悩みのある方は多いようです。
PG剤の美容目的での使用:グラッシュビスタ®(Latisse®)
”睫毛貧毛症” に対する薬剤として、唯一FDAおよび厚生労働省の認可が下りている薬剤です。
適応:睫毛貧毛症
「まつ毛が不十分であるまたは物足りない」ことを特徴とする疾患です。
その原因としては、
・特発性(加齢などが原因)や、
・薬物誘発性の脱毛症(がん化学療法などが原因)
などが挙げられます。
まつ毛のケア:他の方法
○ マスカラ・ビューラー
○ つけまつ毛
○ まつ毛エクステンション
まつ毛エクステンション(マツエク)によるアレルギー性炎症を起こす原因について、以前記載をしていました。
https://www.takeru-eye.com/blog/04232019-eyelash-inflammation
マツエクによるアレルギー性の炎症の本態は、エクステを自分のまつげに接着させる “グルー”に含まれるエチルシアノアクリレート(ethyl 2-cyanoacrylate)によるものです。
先日無観客配信演奏をした際に、コロナの自粛期間中にまつ毛を伸ばした話題が出ました。
その後数名のかたからグラッシュビスタのご要望をいただき、準備することにしました。
緑内障・眼炎症疾患を多く診る眼科専門医の視点からお話をできることが、利点かと思います。
オンライン診療でも、取り扱うことができます。
ご興味のある方はお尋ねください。
よろしくお願いします。