幅広い意味を持つ「緑内障」:ことばのグラデーション

「緑内障疑い」を指摘された
「緑内障予備軍」と言われた
「緑内障の気(け)がある」と言われた
「視神経乳頭陥凹拡大」を指摘された、検索したら「緑内障」のことみたい。

状態によっては、心配がないことも多いです。

本当に心配がないのかどうか、
・現在の状態
・今後の見通し

眼科診療で、お話をします。

目次

幅広い意味を持つ「緑内障」:ことばのグラデーション

網膜・視神経の変性:形態の変化

・目の中の神経の形をみる画像解析
:「OCT」「SLO」「眼底写真」等

“目の中のフィルムに当たる部分” 網膜・視神経の状態を詳しく調べます。

網膜・視神経の形態に異常がないかのスクリーニングです。

網膜・視神経の変性:機能の変化

形態の異常がわかれば、網膜・視神経の機能の異常に対しての評価「視野検査」をおこないます。

上記は2004年のLancet誌1の図からの引用です。

画像診断の発展により、今はさらにわずかな変化を検出できる時代になっています。
形態の変化・機能の変化を並べて示すことができます。

Glaucoma continuum(連続)

画像解析で形態の変化が捉えられたころ:
見えない世界(ミクロの世界)では神経変性が既に進行していたと考えられます2
そのままにしておくと、神経変性は更に進行します。

しばらく時間が経ったのちに、OCTの画像異常の拡大(形態の変化の進行)が検査結果として現れます。

マルチモーダルイメージング(Multimodal imaging)

複数の画像を用いて、網膜・視神経の形態を多角的に評価します。

Nidek Mirante

共焦点走査型ダイオードレーザ検眼鏡(Mirante)
:様々な画像の組み合わせとして表現されます。

網膜・視神経の異常を、早い段階で検出する

Since many patients present in the early stages of the disease, the goal of treatment is to arrest, delay, or limit progression of predisposing ocular hypertension or early optic nerve damage to significant visual impairment.2

多くの患者さんは病気の初期の段階で受診します。

そのため治療の目標となるのは、重大な視覚障害につながる素因となる眼圧上昇や初期の視神経損傷の進行を阻止、遅延、または制限することです。

Weinreb, R.N., et al., 2004. American Journal of Ophthalmology 138, 458–467.

それぞれのひとにとって:緑内障の「現在の状態」を把握し十分に理解する

緑内障という単語はひとつですが、グラデーションがある言葉です。

医療情報の検索で、個人個人に見合った情報に行き着くことは困難と考えられます。
悪い方の情報を得てしまうと、過剰な心配・不安に繋がることもあります。

以前と比べて、医療機器は発展を続けてきました。

・現在の状態
・今後の見通し

説明と、理解していただくことを大事にします。

参考文献

  1. Weinreb, R.N., Khaw, P.T., 2004. Primary open-angle glaucoma. The Lancet 363, 1711–1720. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(04)16257-0
  2. Weinreb, R.N., Friedman, D.S., Fechtner, R.D., Cioffi, G.A., Coleman, A.L., Girkin, C.A., Liebmann, J.M., Singh, K., Wilson, M.R., Wilson, R., Kannel, W.B., 2004. Risk assessment in the management of patients with ocular hypertension. American Journal of Ophthalmology 138, 458–467. https://doi.org/10.1016/j.ajo.2004.04.054
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