“マツエクアレルギー”のお話です。
まつげエクステ(マツエク;eyelesh extensions)使用中で、充血・まぶたの腫れ等の症状で受診:
角結膜炎・眼瞼炎の診断となったかたがこれまでに数名いらっしゃいました。
アレルギー性の炎症の本態(原因)は、エクステを自分のまつげに接着させる “グルー”に含まれるエチルシアノアクリレート(ethyl 2-cyanoacrylate)によるものです1。
まつげエクステをはずしていただいた上、炎症を抑える点眼・軟膏を使います。
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緑内障の点眼薬のうち、プロスタグランジン関連薬(PG製剤)の副作用として「まつげがのびる」ことがあります。
たくさんの緑内障患者さんをみていると、PG製剤点眼中のほとんどの方がまつげが長く太くなっています。
この副作用を、eyelash hypotrichosis(睫毛減少症):まつげが少ない状態 の方に対して、美容目的で使うことができます。
グラッシュビスタ(アラガン社)は、緑内障点眼薬のPG製剤(ルミガン; bimatoprost)と同じものをまつげの生え際に塗布するものです2。
まぶたの際に薄くアイラインをひくように
専用の細いブラシでぬる
→ 3か月くらいで、まつ毛が多くなる。
(まつ毛美容液とは別です)
自分のまつげを増やすので、上記のアレルギーが起こることもありません。
まつげエクステの危害についての注意喚起もご参照ください3。
グラッシュビスタには保険は適用されず、自由診療になります。
(眼底の状態もあわせて)細隙灯顕微鏡で目の健康状態をチェックできることが、眼科専門医で処方を受けることの利点と思います。
* 2021.1.8更新:オンライン診療にも対応できるようにしました。
ご希望がありましたらご相談ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
参考:
1. Ocular disorders due to eyelash extensions
Cornea. 2012 Feb;31(2):121-5.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22134404
2. Bimatoprost in the treatment of eyelash hypotrichosis
Clin Ophthalmol. 2010; 4:349–358.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20463804
3. 後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害(独立行政法人国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150604_1.html