”こどもにメガネはかわいそう”
“メガネはまだしない方が良いのでは”
“かわいい👦👧ちゃんがメガネの顔になってしまうなんて”
”メガネをかける時期じゃないって、おじいちゃんおばあちゃんに言われた”
目の中(網膜)でピントを合わせた見え方にしておくことで、こどもの見える力を育てるお話です。
こどもの見える力を育てる「眼鏡」
弱視を防ぐために、メガネをかける(3歳〜8歳くらい)
小さなこどもでは、目の長さが極端に短いことがあります
:「遠視」
網膜のピントが合わず、水晶体ががんばってふくらんで調節をします。
こどものころは、きれいに見えた像を脳に届けて、“ものをみる能力”を自分で育てています。
遠視が強ければピント調節が追いつかず、ぼやけた見え方が続く。
寄り目になってしまっている場合もあります
:「調節性内斜視」
脳で見える力を育てるのには、ピントがあっていることが必要不可欠です。
タイムリミットがあるため、早めの眼科検査が必要な状態です。
3歳児検診までに見つかれば、あせらず治療を行うことができます。
小児科・眼科・役所で使うこともある「スポットビジョンスクリーナー」で、
弱視(疑い)が発見されることも多くあります。
子供はピントを合わせようとする強い力を持っています
:「調節力が強い」
屈折(目の度数)が正確に判定できない状態になっています。
そのため、「調節麻痺剤」を使った検査をします。
サイプレジン
アトロピン
正確な屈折を知ったうえで、メガネを処方します。
近視(=目が悪い)を進ませないために、メガネをかける(小学校低学年〜高校生くらいまで)
メガネをかけると目が悪くなる?
ぴったり合わせた眼鏡をかけていると近視が進むよ、と言われていた気がします。
その常識が間違っていたことが、わかっています。
完全矯正のメガネをかけておくことが大事です。
でも理論上のことと、現実は違ったりしますね。
・見えかたがきつい
・授業中だけでなく、ふだんもメガネをかけておいた方が良い?
・メガネをかけたくない
メガネをかけなさいよ、と強要するのはつらいですね。
いつからメガネをかける?
眼科検査では、度数をいくつも試します。
調節機能解析をおこなうこともあります。
適切に処方されたメガネを購入、
かけてみたら
「あらみえる😯」
かけたくなるかも知れません。
それを待っていても良いかなと思っています。
小学生でも、まだピントを合わせる力は強くあります。
そのままメガネを合わせると、「過矯正」の状態になってしまうこともあります。
・塾
・学校の宿題
・習いごと
・部活動
調節麻痺剤の検査で数日まぶしくなってしまうのが、こまるかもしれません。
ミドリンP
散瞳剤を用いて検査をおこないます。
まぶしくなる・みづらくなる時間は数時間です。
正確な眼鏡合わせにつなげます。
強度近視のリスク
近視が進んだ「強度近視」は、「病的近視」に移行してしまうことがあります。
成長して数十年後に、目の病気になってしまうリスクが上がってしまうことがわかっています。
病的近視にならないための予防医療と捉えています。
目の成長期
赤ちゃんの頃〜小学校入学まで
視覚の感受性期
ピントを合ったきれいな像をみて、脳のみえる力を自分で育てている。
ピント調節の補助が必要な場合(多くの場合は「遠視」)、
メガネを使う。
小学校低学年〜高校生
近視を進ませないために(“目が悪く”ならないように)
メガネ:中心部にピントをあわせる
ぼやけている状態を解消することで、裸眼の状態を続けるよりは近視が進まないことがわかっています。
オルソケラトロジー:中心部と、周りにもピントをあわせる
最新の知識では、
周りにもピントを合わせることで、近視進行をより抑えることもわかっています。
こどもの見える力を育てる「眼鏡」
・弱視を防ぐために、メガネをかける(3歳〜8歳くらい)
・近視(=目が悪い)を進ませないために、メガネをかける(小学校低学年〜高校生くらいまで)
大きくふたつにわけて考えています。
大事なこどもさんの目を成長させるために、早めの対応が大事です。
少しでも気になったら、眼科で検査をしてもらってくださいね。