「子供や赤ちゃんの瞬きが多い・目をパチパチする・まぶしがる・目をぎゅっと閉じたりするのはなぜだろう?心配。」
「小児科に行くのか、眼科に行くのか迷う。」
まばたきの多さは、ときに目の病気・異常に伴うものもあります。
こどものまばたきが多い原因と、眼科での診療方針・治療 の記載をしました。
こどものまばたきが多い
原因
角膜・結膜に異常がある(前眼部の異常)
✔︎ ドライアイ
✔︎ まつげが内側を向いている(睫毛内反)
✔︎ 目に何か入っている(結膜異物)
✔︎ 角膜をこすっている/目に傷が入っている(角膜びらん)
✔︎ アレルギー性結膜炎
くせ
瞬きが多い症状は、チックの主症状として知られています。
でも、チックのほとんどは問題ありません。
ストレス・不安・疲れ・飽き性に伴うこともあります。
成長に伴って、自然と消えていくことも多いです。
メガネを必要とする視力に気付いていない(屈折異常)
✔︎ 近視
✔︎ 遠視
✔︎ 乱視
屈折異常弱視の状態でないことを、確認します。
斜視・斜位に気付いていない
✔︎ 間歇性(間欠性)外斜視
目の疲れ
✔︎ 調節緊張が強い状態(眼精疲労)
検査・診察
○ 細隙灯顕微鏡を用いて、目の表面の詳細な観察
✔︎ くろめ(角膜)の傷の有無 等を確認(フルオレセイン染色)
(目に傷が入っていないかどうか)
○ 目の動きを確認
✔︎ 詳細な眼位・眼球運動をチェックします。
両目が正常に一緒に動いているかの検査です。
見た目でわからなかったような「斜位」が見つかることもあります
○ 視力を確認
✔︎ メガネが必要かどうかの確認
○ 目の調節(ピント合わせ)の状態を確認
✔︎ 調節機能解析装置を用います
常勤の視能訓練士が、詳細な検査をおこないます。
全ての結果は、診察室のモニター/iPadで画像を提示してご説明します。
治療
○当たっているまつげ・異物などがあれば、取り除きます
✔︎ 小さいうちはまつげが内側を向いている事もあり、成長に伴って自然に軽快することも多いです。
そのため、そのまま経過をみることもあります。
○アレルギー、ドライアイ
✔︎ 主に点眼処方をおこないます。
○角膜障害
✔︎ 点眼・軟膏の使用
○屈折異常(近視・遠視・乱視)
✔︎ 適切なメガネ処方をおこないます。
○調節緊張が強い(眼精疲労)
調節機能の程度を、グラフにしてお見せします。
:調節機能解析装置(アコモレフ)
» メガネをかけると目が悪くなる?:現在は「完全矯正」が推奨されます
○斜視・斜位
✔︎ メガネをかけることで改善する場合もあります。
✔︎ 近くの細かいものをみる訓練(斜視弱視訓練)をおこなうこともあります。
*手術を必要とする斜視が見つかる場合もあります。
○「くせ」である場合
何も治療を必要としない場合も、多くあります。
そのまま、経過をみていきます。
上記のような目の異常・病気がないことを確認して、数か月の間。
何も心配しないでくださいね、とお話しています。
こどもがストレスに感じないようにすることも、重要と考えています。
再診で:
上記のような目の異常が、新しく出てきていないことを確認します。
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