健康診断で視神経乳頭陥凹拡大を指摘され、びっくりされることがあるかもしれません。
近視が強い(とても“目が悪い”)かたに、該当することが多くあります。
目の中(眼球内)の「視神経」:その “形” を評価するお話です。
画像検査により、心配がないのかどうかがわかります。
“視神経乳頭陥凹拡大”:目の中の「視神経」の凹みの大きさは?
網膜の神経線維を束ねた「視神経」:かたちから、様々なことがわかります。
疾患の種類にかかわらず、受診されたほぼすべてのかたに対して:
細隙灯顕微鏡と前置レンズ(Superfield NC, Volk社)を使って、目の中の「視神経」を観察します。
目薬で瞳孔をひらくことなく、瞬時に視神経の状態をみています。
* スクリーニング:正常なかたちか、疾患の疑いがあるか、を判断
- 大きさ
- ふち(辺縁)の状態
- へこみ(陥凹)の深さ・形
- 血管のかたち
- 出血の有無
- まわりの網膜の状態(網膜神経線維層欠損)
以上は、眼科医の頭の中のチェックリストに入っています。
○ 視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとう かんおうかくだい)
目が悪い(近視が強い)かたに、とても多いです。
コンタクト・めがねで長年過ごされていた方が、視神経のかたちの異常に気づかれていないことも多いです。
企業検診や健康診断で、眼底写真から指摘されることもあります(再検査)。
高眼圧症・緑内障のほとんどは、自覚症状がありません。
視神経の異常を伴う:その他の眼疾患
○ 視神経乳頭出血(DH, disc hemorrhage)
○ ぶどう膜炎・視神経網膜炎
○ 糖尿病網膜症・糖尿病性視神経症
○ 視神経炎
○ 遺伝性視神経症
レーベル遺伝性視神経症
○ 中毒性視神経症
抗結核薬(エタンブトール)、シンナー・有機溶剤、抗不整脈薬の使用 等
○ 栄養が足りない(栄養欠乏性視神経症)、血流が足りない(虚血性視神経症) 等。
必要に応じて、OCT(光干渉断層計)を用いた解析を行います。
視野検査が必要と判断される場合には、眼底写真とOCTの結果を先にお見せします。
結果はすべて、患者さんの目の前のモニターに提示してご説明します。
ご家族への説明をご希望のかたは、いつでも来ていただいて画像をお見せしています。
遠慮なくおっしゃってください。