いままでにあわせた眼鏡・コンタクトレンズが「過矯正」になってしまっていることがあります。
眼鏡・コンタクトを合わせる際に、ピント調節が強く働いてしまっていたためです。
ひとによってさまざまな「調節」の状態に対処をすることで、改善が見込めます。
体調不良の原因かもしれない「眼鏡/コンタクトの度数」
過矯正のメガネ・コンタクトを使った場合の「調節過剰」
近くをみるときには、
常に調節を働かせておく状態になっています。
:毛様体筋(=水晶体の周りでピントを合わせる筋肉)が緊張した状態。
Accommodative excess(調節過剰)
眼鏡/コンタクトの度数と、体調:
様々な体調変化が出てしまいます。
・近くのものを少し見ただけで疲れてしまう
・近くのものを少し見ただけで頭痛がする
・ものがかすんでみえる
・集中力が続かない
・目の周りが押されたようにある
・文字が動いてみえる
改善する方法
20-20-20ルールをやってみる
20分近くを見て集中したら、20秒間だけ遠く(20フィート=6メートルくらい)をみる。
毛様体筋をリラックスさせる:
「緑をみると目にいい」
「山をながめていると目がよくなる」
「夜の星をみると目にいい」
等、同じものと考えて良いと思います。
ThinkPadの一部のモデルでは、20-20-20ルールに対応するモードが設定できます。
ポモドーロテクニックを、勉強・仕事の時間の使い方に役立てる
:集中する時間を25分間に区切って、リラックスした状態をはさむ方法です。
考案されたころは、トマト型のタイマーを使う話でした。
現代ではiPhoneのアプリなどもあります。
○ 適切なメガネ・コンタクト処方
○ 調節に作用する点眼を使う
調節の影響をとりのぞいた検査で、正確な目の度数を知る
近くのものをみるときには、
水晶体がふくらんで、一時的に近視化します。
そのまま眼鏡を合わせてしまうと、過矯正になります。
以前「仮性近視」と呼ばれていた状態にもあたります。
調節の影響を取り除くために使うのが、
雲霧(うんむ)法:
レンズによって焦点の合わない時間をしばらく作ります。
それでも、効果が不十分となってしまうこともあります。
屈折異常(近視・遠視・乱視)に対して、
調節の影響をとりのぞいた正確な目の度数を知る必要があります。
【実際の診療】
調節機能解析装置(アコモレフ)で、眼の調節の状態をグラフ化してご説明します。
状態に合わせて、
○ 上記「20−20−20ルール」「ポモドーロテクニック」のお話
○ 調節緊張を緩和する点眼処方
○ 適切なメガネ処方
アコモレフの結果に合わせて、適切な眼鏡度数を考えます。
・眼位(両目の動き)
・輻輳(ふくそう:近くをみるときに正常に寄り目になっているか)
にも、留意します。
視能訓練士が検査をおこなっています。
こどもの目の診療では、
調節麻痺の点眼(瞳孔が開く目薬)を用いることもあります。
正確な目の度数「屈折」を知ることができます。
1.-3.の順に
まぶしくなる時間/ピントがあわなくなる時間が、それぞれ異なります。
(1) ミドリン
最も多くおこなっている方法です。4-5時間後/その日のうちに通常のみえ方にもどります。
(2) サイプレジン
2-3日みづらくなります。
週末や長期休暇(春休み、夏休み、冬休み)のころにおこなうことが多いです。
(3) アトロピン
調節性内斜視、強度の遠視が疑われるこどもにおこなっています。
0.5%に希釈したアトロピンの1日2回点眼をお願いして、1週間後に来院していただいています。