「メガネ」も、近視抑制の現実的な選択肢になってきました。
近視抑制メガネの歴史は、2018年に香港で始まった臨床試験にさかのぼります。すでに8年以上が経過し、現在MiYOSMART・Stellestは世界30カ国以上で処方されており、シンガポール・台湾・中国・欧米では「子どもの近視抑制の標準治療」として定着しています。長期フォローアップデータも8年分が蓄積され、安全性・有効性ともに確認された治療法です。
日本では2026年6月、ようやく国内で処方できる環境が整いました。
一般的な単焦点メガネには近視抑制効果はありません。一方、レンズに特殊な構造を組み込んだ近視抑制用メガネでは、進行を約50〜60%(条件や装用時間により最大で60%台)抑えるエビデンスが出てきています。
代表的な技術は、HOYAのDIMS(MiYOSMART®)、EssilorのHALT(Stellest®)、SightGlass VisionのDOTの3つです。本記事では、それぞれの仕組み、最新の長期データ、国内供給状況(2026年6月時点)まで整理します。各治療法の全体的な比較は、こちらの記事もご参照ください。

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なぜメガネで近視が抑えられるのか

近視は眼軸長(眼の前後の長さ)が伸びすぎることで進みます。

伸びる原因のひとつが、網膜の周辺部に「遠視性デフォーカス(焦点が網膜より後ろ)」が当たり続けることだと考えられています。これに対し、周辺部に「近視性デフォーカス(焦点が網膜より手前)」を意図的に作ると、軸の伸長を抑える信号が出るとされます11。
普通のメガネは中心も周辺も「単焦点」なので、この近視性デフォーカスは作れません。近視抑制メガネは、レンズの周辺に微細な構造を組み込んで、周辺視野にデフォーカスを作っています。


① HOYA MiYOSMART®(DIMS技術)— 6年データで安定
レンズの中央9.4mmは単焦点で普通に見え、その周りに396個の小さな凸レンズ群(+3.50D)がハニカム配置されています。
エビデンス
| 試験 | 期間 | SER抑制 | 眼軸長抑制 |
|---|---|---|---|
| Lam BJO 20201 | 2年RCT | 52%(−0.41D vs −0.85D) | 62%(0.21mm vs 0.55mm) |
| Lam BJO 2022※ | 3年フォロー | 効果維持 | 効果維持 |
| Lam Sci Rep 20232 | 6年フォロー | 装用群累積 −0.92D ※ | 装用群累積 0.60mm ※ |
| Leung TW ARVO 2025※ | 8年データ | 効果継続 | 効果継続 |
※ RCT:ランダム化比較試験
※ SER(等価球面度数)
※ 累積値は装用群の進行量であり、対照群との差ではありません。
中止後の明確なリバウンドは報告されておらず、現時点の報告では、長期装用に関する安全性について大きな懸念は示されていません2。香港ソフトCL版(DISC)の先行データでは、装用時間4時間以上で28%、6時間以上で50%、8時間以上で60%と、装用時間と効果が比例します3。

② Essilor Stellest®(HALT技術)— CARE指標を提唱
1,021個の極小非球面レンズが、11の同心円リング状に配置されています。
エビデンス
- 2年RCT4:装用12時間以上の子どもで近視進行 55%抑制(0.80D差)、眼軸長 51%抑制(0.35mm差)
- 2年RCT・全日装用サブグループ4:装用12時間以上で近視進行 67%抑制(−0.99D)、眼軸長 60%抑制(0.41mm)
- 3年データ:累積で1Dを超える進行抑制を維持
- 5年データ:1.75Dの進行抑制、眼軸長0.72mmの抑制(対照群比)
HALT陣営は、効果指標としてCARE(Cumulative Absolute Reduction in axial Elongation:累積絶対眼軸伸長減少量)を提唱し、Stellest 3年データのCARE値は0.49mmと、光学的近視抑制治療の中でも高い水準と報告されています8。
③ SightGlass Vision™(DOT技術)— コントラスト変調という別アプローチ
レンズ表面に多数の微小な点を分布させ、網膜のコントラストを微妙に下げることで近視進行を抑える仕組みです。デフォーカスとは異なる仮説(コントラスト変調)に基づくアプローチとされています。
エビデンス
- CYPRESS 12ヶ月5:SER進行を約50〜70%抑制(条件により最大70%台、−0.40D差)、眼軸長0.15mm差
- CYPRESS 4年データ6:4年目も統計的に有意な抑制を維持
- CATHAY試験 2年データ※(ARVO 2026発表):中国小児(n=172)で SER進行 67%抑制(0.78D差)、眼軸長 62%抑制(0.40mm差)(ARVO 2026学会発表ベース・査読前データ)
特に6〜7歳の若年児(進行が速い時期)で高い効果を示している点が特徴です。
3技術の効果を比較する
直接比較RCTはまだ少数ですが、2025〜2026年に重要な比較データが出ています。
2025年のメタ解析10(D’Andrea L et al., Br J Ophthalmol 2026)
23のRCTを統合した結果:
- HALT:眼軸長伸長 −0.28mm、SER進行 −0.52D(対照群比)
- DIMS:SER進行 −0.45D
- 両技術ともスペクタクル型ではトップレベルの抑制効果
2025年 直接・間接比較研究9(Tang P et al., Cont Lens Anterior Eye 2025)
DIMS / HALT / CARE の3群比較(間接比較を含む):
- DIMS:56.7%抑制
- HALT:58.1%抑制
- CARE:比較条件によってはDIMS/HALTより効果が小さい結果が報告されている
2026年 実臨床研究
一部の実臨床研究では、HALTの優位性が示唆されています。ただし、3種とも単焦点より明らかに有効です。
[IMAGE: DIMS / HALT / DOT の効果比較棒グラフ]

共通点:装用時間が効果を決める
3技術に共通するのは、「全日装用」が前提であることです。
- HALT:装用12時間以上で 67%(SER)/ 60%(眼軸長)抑制
- DIMS:朝起きて夜寝るまで装用が前提
- DISC(DIMS の precursor):装用時間と効果が比例
装用時間が短い場合、期待できる効果が小さくなる可能性があります。スポーツや水泳などで外す時間が長くなりそうな場合は、事前に装用方法を相談してください。
安全性と装用感
- MiYOSMART® (DIMS):8年間の追跡で 参加者全員が満足と回答。装用継続率も高い2
- Stellest® (HALT):多くの場合、短期間(1週間以内が大半)で適応4、視力品質は単焦点と同等
- SightGlass Vision™ (DOT):視力・読書速度・コントラスト感度すべて単焦点と同等7
- 中止後のリバウンド:近視抑制メガネでは、中止後のリバウンドはほぼ認められません2。オルソケラトロジーやアトロピン点眼は中止時に注意が必要ですが、近視抑制メガネはその点でも安心して使えます。
いずれも非侵襲で、点眼や着脱の負担がなく、小児の受容性は良好です。
フレーム・レンズの耐久性:小さなお子さんでも問題ないか
「特殊なレンズだから傷つきやすいのでは?」「活発な子どもには向かないのでは?」という心配をよく聞きます。
レンズの耐久性
MiYOSMART・Stellestはともにポリカーボネート素材を採用しています。これは通常のプラスチックレンズ(CR-39)より約10倍耐衝撃性が高く、子ども用安全眼鏡の業界標準素材です。
表面には傷防止コーティングが標準装備されており(MiYOSMART:Smooth Touch Xtreme、Stellest:Crizal®コーティング)、撥水・反射防止・UVカット機能も備わっています。一般的には、各製品で傷防止コーティング等が用意されており、通常の子ども用眼鏡と同程度の耐久性が期待できます。使用状況により傷や破損の可能性はあるため、取り扱い方法は購入店の案内に従ってください。
フレームの選び方
MiYOSMART・Stellestは通常の眼鏡フレームにそのまま入れることができます。トマトグラッシーズのような柔軟素材(TR-90)の子ども向けフレームとの組み合わせも問題なく、メーカーは、近視管理(近視進行抑制)を目的とした機能性眼鏡レンズにも適すると案内しています(表現は各社の公式表記に準じます)。
ズレにくいフレームを選ぶことは、レンズの光学中心と瞳孔の位置合わせ(アライメント)を維持するために重要で、近視抑制効果に直結します。フレームの選び方は処方箋をお渡しする際に対応眼鏡店でご相談ください。
各製品の公式情報
- MiYOSMART(HOYA):hoyavision.com/for-spectacle-wearers/miyosmart2/
- Essilor Stellest:essilorpro.com/resources/stellest
- トマトグラッシーズ:tomatoglasses.com/jp/
世界ではすでに、近視進行抑制メガネが「当たり前の選択肢」になっている
日本では2026年6月の発売ですが、海外では2018年以降すでに30カ国以上で普及しており、エビデンスも政策も大きく進んでいます。
アジア人以外でも同じように効くか
先行するRCTの多くは中国系小児を対象としていたため、「日本の子どもにも同じように効くのか」という疑問はあります。近年は、複数国・多様な背景の小児を対象とした報告が増えており、日本の子どもにも当てはまるかどうかを判断するための材料が増えてきています。
- 🇬🇧 英国多施設前向き研究14(McCullough et al.):非アジア人小児のDIMS装用下での年間眼軸延伸量は1年目0.17mm・2年目0.12mmと、香港RCT(年間0.10mm台前半)と同等の結果
- 🇷🇴 ルーマニア実世界観察研究(118名、4〜15歳):DIMS単独で年間平均眼軸延伸0.09mmに抑制。男子75%・女子73%が近視化していない同年齢の眼と同等の生理的延伸率を維持
- 🇺🇸 米国多施設RCT「FIN-3101」(Stellest、6〜12歳、多様な民族背景):SER進行を71%抑制(−0.25D vs −0.90D)、眼軸長延伸を53%抑制(0.21mm vs 0.45mm)。民族の違いと抑制効果の間に有意な相互作用は認められなかった
報告によっては、民族背景の違いによる大きな差は示されていないとされています。一方で、個人差や装用状況など他の要因の影響は受けます。
「早く始めるほどいい」は本当か
近視抑制メガネは、早く始めるほど良いと考えられます。
以下に根拠を示します。
CATHAY試験(DOT、6〜13歳)では、6〜10歳の若年サブグループにおけるSER進行抑制が平均1.01D(対照群比)と、全年齢平均(0.78D)を大きく上回りました。
DIMSの8年追跡データ(Leung, ARVO 2025)でも、継続装用グループの8年累積SER進行は−0.44D、中断・遅延グループは−1.44Dと、継続装用群と中断・遅延群で進行量に差がみられたと報告されています。
国際近視研究機構(IMI:International Myopia Institute)は以下の「遠視リザーブ」を下回る子どもを「近視予備軍」として近視発症前からの介入対象と位置づけています。6歳で+0.75D以下、7〜8歳で+0.50D以下、9〜10歳で+0.25D以下。
* IMIはWHOとBHVI(Brien Holden Vision Institute)の会議をきっかけに2015年に設立された、近視研究・教育・患者管理の推進を目的とするグローバルな専門家グループです。
世界各国の状況
| 国 | 規制状況 | 保険・償還 | 参考価格(1ペア) | 処方者 |
|---|---|---|---|---|
| 🇸🇬 シンガポール | 承認済(2018〜) | 原則自費 | 約6〜7万円 | 眼科医・認定オプトメトリスト |
| 🇹🇼 台湾 | 承認済 | 自費 | 約6〜8万円 | 眼科医・認定オプトメトリスト |
| 🇨🇳 中国(本土) | 承認済 | 自費(一部都市で学校補助) | 約6〜9万円 | 眼科医・病院内オプトメトリスト |
| 🇰🇷 韓国 | 承認済 | 自費 | 約6〜8万円 | 眼科医・オプティシャン |
| 🇦🇺 オーストラリア | 承認済 | 民間保険で部分償還 | 約5〜7万円 | オプトメトリスト・眼科医 |
| 🇬🇧 英国 | 承認済 | 自費(NHS評価中) | 約6〜9万円 | 登録オプトメトリスト |
| 🇫🇷 フランス | 承認済 | 社会保障による公的償還 | 約7〜10万円 | 眼科医(処方)+眼鏡士 |
| 🇩🇪 ドイツ | 承認済 | 公的健康保険で一部支給 | 約7〜10万円 | 眼科医・マイスター眼鏡士 |
| 🇺🇸 米国 | Stellestが2025年9月FDA承認 | 民間保険で部分償還開始 | 約8〜10万円 | オプトメトリスト・眼科医 |
| 🇨🇦 カナダ | 承認済(2020〜) | 民間保険対象 | 約5〜8万円 | オプトメトリスト・眼科医 |
フランスでは国内臨床研究(OPHTAMYOP)の結果を受け、DIMSを「疾患予防の治療用医療機器」として公式認定し、公的保険による償還が適用されています。公的償還が適用される仕組みが整備されていると報告されています(適用条件や自己負担の有無は制度・個別条件により異なります)。今後の日本の参考になるモデルです。
シンガポールでは国家近視予防プログラム(NMPP)のもと、全小学校での視力スクリーニングが義務化されています。また、「近視進行を50%抑制すれば、モデル試算では最大90%削減できる」とする政策方針に基づき、積極的に処方しています。
子どもは本当に全日かけていられるのか
これが、近視抑制メガネを検討する保護者からもっともよく聞かれる質問です。
簡単ではなさそうです。

系統的レビュー15では、処方通りに眼鏡を装用し続けている子どもは平均約40%にとどまることが示されています。一方、近視抑制メガネに限った臨床試験では87%がフルタイム装用を達成しており、「治療目的の眼鏡」という意識があるかどうかで大きく変わります。
脱落率の実態
治療開始から1年以内の脱落率を比較すると:
| 治療法(研究環境下) | 1年脱落率 | 2年脱落率 |
|---|---|---|
| 近視抑制メガネ(DIMS/HALT) | 約6% | 約12% |
| オルソケラトロジー | 約14% | 約25% |
| アトロピン点眼 | 約15% | 約30% |
| MiSight(ソフトCL) | 約21% | 約35〜42% |
眼鏡は脱落率が最も低い治療法です。リバウンドもほぼなく、やめやすく、始めやすい治療法でもあります。
最低有効装用時間
臨床的には1日10時間以上が望ましいとされています(IMIガイドライン)。
目安として:
- 12時間以上:最大効果(HALT全日装用群で67%抑制)
- 8時間以上:効果あり(DISC試験で60%抑制)
- 6時間以上:部分的効果(DISC試験で50%抑制)
- 10時間未満が続く:他の治療への切り替えを検討
外れやすい場面と対策
体育・スポーツ、水泳、周囲の視線が気になる年齢(特に中学生)、単純な「面倒くさい」が主な理由です。
近視が強いほどコンプライアンスは高くなります。裸眼では不便なため自然と「かけないと困る」状態になるからです(−2.50D以上:約85% / −2.50D未満:約70%)。
一方で、近視が軽いうちに始める場合ほど、子ども自身が「なぜかけるのか」を納得できるよう丁寧な説明が必要です。
また、日本の家庭では「眼鏡をずっとかけると目が悪くなる」という見方が根強く残っていますが、一般的にはこの見方は支持されていません。装用状況や度数が適切でない場合は見え方に影響することもあるため、気になる場合は受診時にご相談ください。

オルソケラトロジー・アトロピンとの使い分け
コンプライアンスという観点では、オルソケラトロジーは有利な面があります。就寝中に装用するため、昼間に外す機会がなく、「かけ忘れると翌日見えない」という自然なインセンティブが働くからです。
近視抑制メガネが特に向いているのは:
- コンタクトの装脱がまだ難しい低年齢
- 保護者がしっかり装用管理できる環境
- アトロピン点眼との併用として使う場合(眼鏡の時間が短くても、点眼が補完してくれる)
たける眼科での装用時間の確認フロー
当院では処方前に「1日何時間装用できそうか」を保護者と一緒に確認します。
8時間以上かけられそう → 単独でも効果が期待できる
6時間前後が現実的 → 最初からアトロピン点眼との併用を検討
6ヶ月後の眼軸長測定で0.10mm以上の延伸が確認された場合は、現状の効果を一緒に評価し、治療方針(併用や切り替え)を相談します。
国内供給状況(2026年6月時点)
長らく「未承認・処方不可」だったこの領域ですが、2025〜2026年にかけて、ガイドライン整備や国内での取り扱いに関する動きが進みました。
ガイドライン整備:日本近視学会
日本近視学会は2025年10月、「近視管理用眼鏡(多分割レンズ)ガイドライン(第1版)」を日本眼科学会誌(129巻10号)に公表しました12。このガイドラインでは、MiYOSMART®(HOYA社)とEssilor® Stellest®(Nikon-Essilor社)が正式推奨品として記載されました。
処方の枠組みとして定められたのは、「眼科医が処方し、眼鏡作製技能士が作製する」体制です。処方前には調節麻痺下屈折検査(シクロペントラート塩酸塩点眼)と眼軸長測定が必要で、装用開始2週後・以降3〜6ヶ月ごとの定期受診が推奨されています。
禁忌として明記されているのは、斜視・弱視・眼振などの両眼視機能異常、調節異常(偽近視を含む)、遺伝性の症候性疾患に伴う近視、二次性の近視、円錐角膜などです。
なお、DOT(SightGlass Vision™)・東海光学MYOGEN®・Carl Zeiss MyoCare®については、現行ガイドラインでは推奨外ですが、「改訂時に要件が揃えば追加推奨する」と明記されています。
また、米国ではFDAが2025年9月にStellestを小児近視進行抑制レンズとして初承認(6〜12歳対象)しており、世界的な規制整備が着実に進んでいます。
2026年6月の日本発売
| 技術 | 製品名 | メーカー | 日本発売 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| DIMS | MiYOSMART® | HOYA | 2026年6月上旬予定(※) | 公式発表確認後に追記 |
| HALT | Essilor® Stellest® | Nikon-Essilor | 2026年6月11日 | 公式プレスリリース(2026.5.20)13 |
| DOT | SightGlass Vision™ | SightGlass Vision | 国内未上市 | — |
(※)MiYOSMART の発売日は公式発表が確認でき次第、本記事を更新します。
いずれの製品も、眼科医の処方箋をもとに、対応眼鏡店で作製する流れになります。
たける眼科での対応
当院では国内発売・供給状況を確認でき次第、対象年齢や検査内容、予約方法を含めて提供開始時期をご案内します。
近視抑制メガネ管理プログラム(自費診療)
【対象年齢】
- MiYOSMART®:5歳〜18歳
- Essilor® Stellest®:7歳〜18歳(5歳未満のお子さんには推奨されていません)
近視抑制メガネは「処方して終わり」では効果が出ません。レンズ中心と瞳孔の位置合わせ(アラインメント)が効果に直結するため、定期的な眼軸長測定・度数確認をセットで行います。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 処方前検査(初回) | ¥5,500 |
| 年間管理料(4回分) | ¥17,600 |
| レンズ代 | 処方箋をお渡しします。対応眼鏡店での実費 |
※すべて自費診療です。年間管理料(¥17,600)は、装用開始2週間後の初回確認時にまとめてお支払いいただきます。
【適応屈折度数】
処方の対象は、調節麻痺下屈折検査(サイプレジン点眼)で両眼ともSER(等価球面度数)が−0.50D以上の近視のお子さんです。強度近視の家族歴がある場合や、保護者・本人に強い希望がある場合も処方の対象となります。
受診スケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 初回 | 調節麻痺下屈折検査・眼軸長測定 → 処方箋発行 |
| 2週間後 | 眼軸長測定・度数確認・年間管理料お支払い |
| 3ヶ月後 | 眼軸長測定・度数確認・グラフ説明 |
| 6ヶ月後 | 眼軸長測定・度数確認・効果判定 |
| 9ヶ月後 | 眼軸長測定・度数確認・グラフ説明 |
⚠️ 装用開始後2週間は、激しいスポーツ・球技・自転車・車の運転操作には注意が必要です(新しいレンズへの順応期間)。
※ 度数の目安:6ヶ月ごとの検査で等価球面度数が−0.50Dを超えて進行した場合は、レンズ交換をお勧めします(日本近視学会ガイドライン第1版)12。
ステップアップの基準
6ヶ月後の評価で眼軸延伸が0.10mm以上の場合、メガネ単独の限界と判断し、リジュセア®ミニ(アトロピン点眼)との併用をお話しします。ASPECT試験17では、DIMS+アトロピン併用でアトロピン単独比の眼軸延伸をさらに61%抑制し、約40%が「延伸ゼロ」を達成しています。

リジュセア®ミニと併用される方
リジュセア®ミニの定期管理と受診は、可能な限り同日にまとめます。すでにリジュセア®ミニの管理プログラムに入られている方は、追加の管理料は不要です(計測機器の詳細はこちら)。

その他の治療法との比較は近視抑制治療 比較ガイド2026をご参照ください。

気になる方は診察時にお声がけください。
患者さんへお伝えしたいこと
「メガネは近視を進めない、止めもしない」というのが、これまでの常識でした。
近視抑制メガネは、近視を「治す」ものではありません。将来の進行速度を抑制し、強度近視になるリスクを下げることを目的としています(日本近視学会ガイドライン:平均抑制率55〜59%)12。
近視抑制メガネの登場で、状況は変わってきています。ただし、効果を引き出すには次の3点が大事です。
- 定期的に眼軸長を測って、効いているか確認する。
- 起きている時間中はずっと装用する。「全日装用」が前提のレンズです。
- 効果が頭打ちなら、他の治療(アトロピン点眼、オルソケラトロジー、MiSightコンタクト)と組み合わせる選択肢を医師と相談する。
なお、近視の進行は一般的に18歳前後で落ち着いてくることが多いとされています(18歳までに約77%が安定)12。進行が止まったと判断できれば、装用を中止することも可能です。
国内承認の動向は、当院でも随時お伝えします。気になる方は、診察時にお声がけください。
参考文献
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