急を要する目の病気・ケガ(眼科の救急疾患)

目の病気・ケガには、すぐに眼科受診が必要な場合もあります。

目次

急を要する目の病気・ケガ:気をつけること、してはいけないこと

ぶつけた場合

目を押さえない(冷やさない・あたためない)
とても衝撃が強く眼球が裂けていた場合、目の中身が出てしまうことがあります。。

急に見えなくなった場合

(後述する)網膜中心動脈閉塞症だったとしたら、紙袋を吸うことが大事かもしれません。
でも、判断はとても難しいです。

明らかに様子がおかしければ、急ぎ眼科を受診する必要があります。

下記に、まとめました。


目が痛い

目が開けられないほどに痛い

コンタクト使用に伴う角膜感染症:
一晩でも、黒目に感染した範囲が広がってしまうことがあります。
原因となる菌・病原微生物によっては、角膜穿孔(黒目に穴があく)となってしまうこともあります。。

角膜は、多くの知覚神経が分布しています。
そのため、角膜上皮に障害を起こすととても痛いです。
痛みを取る目薬(ベノキシール)は、診察の時だけしか使えません。
連続して使うと、角膜を痛めてしまうからです(角膜上皮障害)。
表面麻酔の点眼は、15分だけ痛みが取れます。
点眼後15分の間に、角膜の状態を評価します。

嘔吐を伴う痛み・動けないほどの頭痛

急性緑内障発作

急性緑内障発作:
目の中の水の通り道がふさがって、急激に眼圧が上がります。
正常10-20mmHgの眼圧が、50mmHg以上に上がります。

「激しい頭痛」「嘔吐」:
内科疾患と間違われることも多く、医師国家試験・救急救命士国家試験等に出題されることも多いです。

点滴で眼圧を下げた上で、水晶体を取る手術(白内障手術)をすることがあります。
水晶体が眼内レンズに置きかわることで、目の中の水の通りが改善されます。

狭隅角眼・急性緑内障発作後 白内障手術
狭隅角眼・急性緑内障発作後 白内障手術

急激な視力低下・視野の異常

カーテンがかかったような見え方

裂孔原性網膜剥離

「網膜剥離」だった場合、中心(黄斑部)まで剥がれてこないことがとても大事です。
急ぎの判断、手術による治療が必要となります。

急に視野の一部が欠ける、見えなくなる

目の奥の血管が詰まる「網膜血管閉塞」「虚血性視神経症」
網膜・視神経に分布する血管が突然詰まった結果、突然の視力低下・視野異常につながります。

動脈が詰まる「網膜中心動脈閉塞症」

網膜に酸素を送る動脈が、中心から全部詰まってしまいます。
突然全く見えなくなります。
最初の数時間を逃すと、網膜の機能が戻らなくなります。
紙袋で口をふさいで、呼吸をしてください。

自分の呼気に含まれる二酸化炭素を吸入することができます。
その結果血管が拡張して、詰まっているものが取れることがあります。
眼球マッサージで詰まりが取れることもありますが、どの程度の力を加えるかが難しいかと思います。
いずれにしても、急に全く見えなくなったら救急の眼科を受診されてください。。

静脈が詰まる「網膜中心静脈閉塞症」「網膜静脈分枝閉塞症」

網膜に戻ってくる静脈が詰まった結果、網膜に出血をきたします。
同時に、網膜に血の巡りの悪いエリア(虚血部位)ができてしまいます。
虚血状態となった網膜は、目の中に炎症を起こします。
炎症を起こした網膜は、目の中の悪循環を引き起こします。
糖尿病網膜症と似た病態です。

目の感染症

(白内障など)手術のあとに目が痛い、充血がひどくなってきた

「術後眼内炎」の場合、
目の中(眼球内)で増え始めた細菌は、短時間で網膜をぼろぼろにしてしまうことがあります。
目の中のゼリーを取り去る手術(硝子体手術)
その際に、抗生剤で目の中を洗う処置が必要となります。

目の炎症

水疱・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)によるぶどう膜炎

水疱・帯状疱疹ウイルスによる「急性網膜壊死」は、短時間の間に網膜をぼろぼろにしてしまいます。
ぶどう膜炎のうちでも、急を要する疾患です。
硝子体手術をして、ヘルペスウイルスに効く薬(抗ウイルス薬)を目の中に流すこともあります。

ヘルペスウイルスは主に2つ:
・単純ヘルペスウイルス(Hepes Simplex Virus, HSV)
・水疱・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus, VZV)
VZVの方が症状がとても強いです。
眼内液のPCRをすることで、HSVとVZVが検出・分類されます。

眼外傷(目のケガ)

目をぶつけた、目にボールなどが強く当たった

目をぶつけると、目の中のゼリー(硝子体)が揺れることによって
網膜に穴があく(網膜裂孔)
網膜が剥がれる(網膜剥離)
目の中に出血する(硝子体出血)
を起こしてしまうことがあります。

目の前の方に
炎症(虹彩炎)
出血(前房出血)
が起こることもあります。

そして、目の周りの骨がひび割れることによって
目の動きがおかしくなる(眼窩底骨折)
ことも、あります。

本当に強い衝撃では、
眼球の中身が飛び出す(眼球破裂)
こともあります。
感染症とならないように抗生剤を使用したうえ、
眼科で急ぎ傷の修復(角膜縫合・強膜縫合等)が必要となります。

目に何かが刺さった

黒目が破ける(角膜裂傷)
白目が破ける(強膜裂傷)
こちらも感染症とならないように抗生剤を使用しながら、
眼科で急ぎ傷の修復(角膜縫合・強膜縫合等)が必要となります。

電動草刈機の使用中、欠けた小さな刃が目の中に入り込んでしまうことがあります。
小さな刃に付着した真菌(カビ)も眼球内に入り、短時間で増殖してしまうことがあります(真菌性眼内炎)。
目を守るゴーグルの使用が、とても大事です。

化学薬品等が目に入った

アルカリ性か、酸性か が大事です。
アルカリ性の液体は、目の組織を溶かしながら深部に入り込んでしまいます:アルカリ眼外傷

瞳孔の大きさが違う、目の動きが明らかにおかしくなった

脳梗塞や脳出血など、脳血管障害をきたしているかもしれません。
脳神経外科で、緊急のMRIを撮影することが必要となることがあります。

目の症状:心配か、心配でないか

普段の診療では、心配しすぎないお話をすることが多くあります。

Googleで医療情報を検索すると、あらゆる可能性から過剰な心配につながってしまうお話を記載しました。

明らかに症状がおかしいときは、急ぎ眼科を受診する必要があります。

福岡市内 時間外対応の眼科を持つ救急病院

時間外の対応:応急処置を担います。

福岡市急患診療センター(眼科当番医)

https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/chiikiiryo/kyukyuiryo-syobo/811.html

092-847-1099

九州大学病院救急外来(眼科当直医)

https://www.hosp.kyushu-u.ac.jp

092-642-5163(時間外受付)

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